お台場キャンピングカーフェア2016へ行ってきました【その14】『日本特種ボディー株式会社のASAKAZE(あさかぜ)を検証03』
今回は2016年11月6日(日曜日)にお台場で開催された『お台場キャンピングカーフェア2016』を見に行った時の様子をご紹介。
『日本特種ボディー株式会社』という真新しいキャンピングカービルダーの製造している、ASAKAZE(あさかぜ)という名前のキャブコンの内装を見ていきます。
最後部にある常設ベッドには窓が装備され、明るい雰囲気。全長が5,750mmあるキャブコンのため、ベッドの幅もゆったりしており、5×2クラスのキャブコンのように斜めにカットしたマットを無理矢理押し込んでいるものとは一線を画す広さ。
これだけの広さがあれば、大人1名+子供1名、もしくは子供2名であれば十分に就寝可能だと思われます。4人家族であれば、このリアベッドとバンクベッド部分に全員が就寝可能で、ダイネット部分をベッド展開しなくても済みそう。
フリールームの扉を開けてみました。こちらも実用的な広さで、床には防水パンが敷いてありました。真ん中位の位置に補強のためでしょうか?ちょっとした出っ張りがあるのが気になりますが、これだけの広さがあればカセットトイレやポータブルトイレの使用も余裕。
フリールームの壁面に使われている部材も高級な感じのする部材で、1,000万円以上するキャンピングカーとしてはなかなか相応しい感じ。これまでこのような豪華な内装部材を使用した国産キャブコンはあまり見たことがなく、新鮮に映ります。
防水パンの様子。補強と思われる部分はそこそこ出っ張っており、トイレとして使用する際には小物を置くことも出来そう。自作の仕切り板を取り付ける際にも、仕切り板を置くステーとしても使用できそうです。
上部には採光のための窓があり、細長い鏡が左右に配され、フリールーム内を広く見せる工夫もされている模様。
壁面に採用されている部材の質感から、この写真だけを見ているとどこかのシティーホテルのドレッサールームのよう。
ダイネット部分のテーブルがかなり長く、大きなことが分かります。家族4人であれば余裕のサイズ。これだけ広いテーブルであれば、キャンピングカー内で食事などを摂るのも楽しいと思います。
狭いテーブルに無理矢理詰めて置かなければならないバンコンやキャブコンの簡易的テーブルと違い、実用的な大きさのテーブルだと感じますね。
展示車両の室内照明は全て点灯されており、今は昼間なので雰囲気がよく分かりませんが、夜になると室内の雰囲気は相当良いと思われます。
キャンピングカーでどこかへ出掛け、車中泊をする際にこのような豪華な内装と雰囲気のある照明機器の下で過ごす夜は、かなり贅沢な時間になるでしょう。
そういう意味では、室内で長時間過ごすことの多いキャンピングカーの内装の質感や照明機器の雰囲気は、非常に重要だと感じます。
吊戸棚には走行中に不用意に開かないような『ラッチ』や、扉を支える金具もきちんと装備され、手抜きはありません。
細かい点ですが、戸当たり部分にも小さなゴムの緩衝材が貼り付けられており、一般の住宅に採用されるような細やかな気遣いが嬉しいところ。本当の意味で『使う人の立場に立った』設計思想のあるキャンピングカーなのではないでしょうか。
残念ながら、国産のキャンピングカーの中には、「本当にこのキャンピングカーを使ったことあるの?」と思われるような設計思想や内装レイアウト、仕上げの車両もあり、バンコンでも500万円前後、キャブコンであれば600~700万円もするキャンピングカーなのですから、ユーザー目線に立ったキャンピングカー造りが出来ないキャンピングカービルダーはこれから淘汰されていくと思いますね。
ギャレー部分には冷蔵庫の扉がありました。こちらも黒い扉を採用し、高級感を演出。
90Lの1WAY冷蔵庫のようで、あれば便利な装備品。
『あれば便利な装備品』と書いたのは、私のキャンピングカージルには現在冷蔵庫が装備されていないため。数年前に壊れて撤去した後、夏場はクーラーボックスに氷を入れたもので対応していますが、特に不便はありません。
今はどこまで行ってもコンビニがあり、無理に冷たい飲み物や食材を保存しておく必要がないため。旅先の現地で何か美味しい物でも買い、それを保存しておくには便利かと思われますが、それとて1泊や2泊のプチ旅行であれば、クーラーボックスに氷を入れたもので事足りそう。
そういったこともあり、これからもキャンピングカー内に冷蔵庫を設置する予定はありません。ということから『あれば便利な装備品』と敢えて書いた次第。
『リン酸鉄 LiFeP04 HG バッテリの特徴』という看板が出ていました。
読んでいて少し分からないところもありますが、従来の鉛を使用したサブバッテリーより優れた点がある模様。
オリビン鉄構造LiFeP04の車両用電池
リチウムイオン系のバッテリーの中で、最も安全で安定したバッテリー(社内で落下、振動テスト済み)
・10年以上の長時間使用可能(使用条件による)
・超軽量、コンパクトサイズ
・急速充放電(12V/100A-97%にMAX約30分 vs 鉛-75%MAX約13時間)
・低自己放電率(約1%/月、鉛バッテリーは約20%/月)
・メンテナンスフリー(液の追加、部品交換等の作業不要)
・使用温度範囲は-20℃~+75℃と広範囲
・毒性物や酸や重金属類が一切含まれていない「RoHS指令」にも適合
・保障期間は、メーカー(台湾)出荷後2年間
ということで、RoHS(ローズ)は、電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令で、RoHS指令に基づき、2006年7月1日以降は、EU加盟国内において、対象の物質が指定値を超えて含まれた電子・電気機器(electrical and electronic equipment, EEEと略す)販売することが出来ないというもの。欧州地域に製品や部品を輸出している企業は、この規制の影響を受けていると思われます。
その欧州基準を見据えたパーツを積極的に採用するなど、この『日本特種ボディー株式会社』というキャンピングカービルダー、なかなか面白い会社ですね。
内装の質感や電気関連の設計思想、いすゞのびーかむを採用したことなどを総合的に勘案すると、1,000万円超のキャンピングカーになっても仕方がないところかと思ってしまいます。