神奈川キャンピングカーフェアを見に川崎競馬場へ【その04】ヨコハマモーターセールス レガードネオプラス を徹底検証
今回は、2015年9月26(土曜日)に神奈川県川崎市で開催された、神奈川キャンピングカーフェアを見に行った様子をご紹介。
ヨコハマモーターセールスの斬新なカムロードベースキャブコン、レガードネオプラスが展示してありました。『私達はカムロードに真剣です』とあり、このレガードにLTキャンパーズというキャンピングカー販売店が独自の装備品を取り付けた特別仕様車。
外観はこのような感じでバンクベッドの張り出しがなく、空力特性に優れているような形状をしています。実際に走行してみるとやはりバンクベッドの張り出しが無い分、走行安定性は抜群のようで、「レガードに乗ると他のキャブコンに乗れなくなる」とセールスの方が言っていました。
フロントのリップスポイラーやサイドスカートの造型がかなり迫力ある造りで、既存のキャブコンタイプのキャンピングカーとは見た目が大きく違います。
運転席側に装備されている外部収納庫も変わった造り。よくあるドアを上に跳ね上げる方式ではなく、手前に収納スペースそのものが斜めに出て来るタイプ。「こんな手法があったのか~」と、驚きを隠せません。
その運転席側外部収納庫の後ろには小さな扉が付いています。
開けてみるとそこには給油口があり、このドア自体に鍵は付いていませんが、給油口キャップには鍵が付いているので問題は無さそうです。
私の所有しているバンテックのジルは運転席側外部収納庫の中に給油口があるため、このような方式は給油がしやすいと思われ、羨ましい限り。
さて、その斜めに展開される外部収納庫ですが、それ程容量はなく、長さ120cm程で、深さは25cm程。奥行も25cm程で入れる物を選びそう。
外部収納庫の隅には前日降った雨が水溜りを作っていました。この辺りは水抜き栓などを取り付ければ解決する問題なので特に気にする必要はないかと。
また、鉄板のように見える部分は鉄板ではなくビニール製のデザインシート。ここを鉄板にすれば重量が増すだけでなくコストアップにも繋がるため、無理に鉄板にしていないところが好印象。
このレガードネオには細かい外部収納庫が多くあり、このように開口部が多くなっています。
こちらは、車内のフリールームへのアクセスドア。カセットトイレなどを装備した場合にここから汚物タンクを取り出すようです。
フリールームへのアクセスドアの左下には小さな扉があり、ここにも収納可能。
さらにその隣には後部外部収納庫のサイドドアがあり、一瞬温水装置でも入っているのかと思ったのですが、よくよく見てみるとパソコン用のプリンターでした。
もちろん後部から大きく開口するため、大型のキャンプチェアや自立式テント、バーベキューコンロなども収納可能。扉には油圧ダンパーも装備されていて、使い勝手も良さそう。
リアに窓はなく、ハイマウントストップランプとバックアイカメラが装備されています。一面壁ではなく、デザイン性を持たせた背面になっています。
今までキャンピングカーショーなどでレガードネオは何回も見てきたのですが、エントランスに表示してある通り、『混雑時、車内の見学は「3分」までとさせて頂きます。』ということで、いつも後ろに人が並んでいる状態で見学していたため、今回のように後ろに誰も居ない状態でゆっくり見るのはこれが始めて。
そういうことで、ゆっくりと車内を見ていきます。
エントランスドアを入ってすぐの場所がダイネットスペースになっており、これは国産カムロードベースのキャブコンではオーソドックスなスタイル。サードシートが直立しているタイプですが、シートの厚みがそこそこあるため、実際に腰掛けても座り心地が悪いという感じはしませんでした。
サイドソファーと補助椅子を使えばラウンジのような使い方もでき、これなら家族4人でも狭い思いをしなくて済みそう。
バンクベッドの張り出しはありませんが、天井は高くなっているのでバンクベッドの装備は付いています。それでも天井が高く感じるのはこの『跳ね上げ式』のバンクベッドのおかげ。使わない時はダンパーの力で跳ね上がって天井付近に張り付いているので、室内の頭上空間を圧迫しない造り。
このダンパー機構には結構コストが掛かっているとは思うのですが、価値ある装備品だと思います。
ダンパーもロックを外せば軽く下にバンクベッドを下げることができ、天井高こそあまりありませんが、大人2名が楽に寝ることができる空間がワンタッチで出現。収納も力いらずで楽に操作できました。
エントランス上部には国産の家庭用エアコンを装備、東芝製の家庭用エアコンをトリプルサブバッテリーとインバーターを使って静かに運転。外気温にもよりますが、5~8時間程運転が可能だとか。
確かに発電機などを搭載すれば発電機の燃料が続く限りエアコンは使えるのですが、発電機自体を使える場所が限られている昨今、サブバッテリーを増設し、インバーターで家庭用エアコンを作動させる方式が主流になりつつあります。
最後部には二段ベッドを装備。ちなみにこのレガードネオの車両サイズは、全長5,350mm×全幅2,000mm×全高2,800mmという大きさ。さらに大胆にもフレームを切断し、205mm延長しています。
「えっ、フレームって切った貼ったして大丈夫なの!?」と少し不安になるところですが、ベース車両は日野のデュトロと同じのため、日野の関連会社の監修の下、強度計算などもして耐久性に関しても問題ないとのことで、決して違法改造車ではないとのこと。
まぁ、メーカーの関連会社がお墨付きを出しているのだからそれを信じるしかありませんが・・・。ただ、最近のトピックとして話題に上っているフォルクスワーゲンの排ガス規制値偽装問題など、メーカーが不正をすることもあるため、疑えばキリがありません。
シンクの上には電子レンジを配し、調理スペースとの位置関係も良好。
そのシンクもシンプルで、無理に火力の弱いビルトインのガスコンロを装備していないところも好印象。
これはフリールームの様子で、清潔で広い空間を確保。無理にカセットトイレを設置せず、ポータブルトイレでも今の日本のトイレ事情であれば問題ないかも。
運転席・助手席へ移動するには一山越えないといけない感じですが、補助椅子を収納すれば頭上スペースも十分に確保されているため、移動はしやすそうです。
シンクスペースの全体像はこんな感じ。冷蔵庫がやや下に位置していますが、特に問題になるようなことは無いでしょう。逆に目線の位置に冷蔵庫を持ってこようとすれば、他のスペースや装備品が犠牲になりそう。そこまでの重要性は冷蔵庫には無いと思っているため、位置はここでOK。
その冷蔵庫もきちんと扉は開き、もちろん調子の悪い3WAY冷蔵庫などではなく、DC電源のみの1WAY冷蔵庫。長くキャンピングカーを見てきましたが、やはり冷蔵庫はDCの1WAYタイプが一番使い勝手もよく故障も少ないと思います。
いろいろと価値ある装備品とフレームの延長など、他のキャブコンメーカーには無いこだわりが詰まっている、レガードネオ。私が購入するならディーゼルエンジンの4WD仕様だと思うのですが、827万円+消費税という価格に現実味がありませんね・・・。
いいキャンピングカーだというのは分かるのですが、予算的とても手が出るようなキャンピングカーではないです・・・。「か、買える人が羨ましい(恨めしい)」と思う私でした。