ジャパンキャンピングカーショー2015 in 幕張メッセ【キャンパー鹿児島の車載用リチウム蓄電システムKULOSの驚くべき性能】
ジャパンキャンピングカーショー2015 in 幕張メッセの会場に来ています。やってきたのはキャンパー鹿児島のコーナーで、ここはなかなか面白いバンコンを製造しているキャンピングカービルダー。
200系ハイエースのスーパーロングをベース車両とした『HUNT Ver G』というバンコンを展示。
内装はこんな感じで、スライドドアを入った正面にダイネットがあり、手前に冷蔵庫とギャレーを配置、奥に電気のスイッチとテレビ、天井にキャビネットを装備。
これを見て思うことは「う~む、何だか普通だよな~、もっと何かとんがっているバンコンの製作が得意なビルダーじゃなかったっけ?」と、キャンパー鹿児島が普通のバンコンビルダーになりつつあるのを見て少し残念な気持ちに・・・。
確かにキャンピングカー自体のクオリティーは高く、特に不満な場所はないのですが、後部にハイマウントベッドを配するレイアウトも使い古された手法で、特に新鮮味はありません。
ベッドマットは『こだわりの体圧分散型のマットを使用し、快適な睡眠をお約束いたします』ということで、ベッドのマットにこだわっているところは評価できる点。
家具も細部まで丁寧に造り込んでいる様子は伺えるのですが、やはり一般の消費者受けする車(キャンピングカー)を造るとなれば、やはりこの辺りの無難な路線に落ち着いてしまうのでしょうか。
少し残念な気はしますが、売れないキャンピングカーばかりを開発しても経営が成り立たないため、仕方のないことかもしれません。
次に見たのは、キャンパー鹿児島の製造する200系ハイエースベースの『rem second act KULOS Ver』という車両。
室内には家庭用エアコンが装備され、後方には何やら大きな扉のようなものが見えます。ダイネット部分のレイアウトは普通で、特に変わった点は見られません。
家具の配色やファブリックの色使いはなかなか秀逸で、落ち着いた雰囲気の車内トーンとなっています。
プライスリストを見ていて思ったのですが、オプション品の価格が良心的ということ。電子レンジが1万円というのはかなり良心的な価格。
ちなみにバンテックの電子レンジのオプション価格は34,560円と3倍以上の価格。どんな高級な電子レンジか分かりませんが、ちょっと驚いてしまうような価格。
車載用リチウム蓄電システムKULOS(車輌・船舶用/リン酸鉄リチウム電池搭載)という電装品を装備し、このバッテリーシステムによりエアコンなどの電気製品を発電機の力を借りることなく使用可能にしている模様。
ちなみに各電器製品の使用可能時間(単体使用時)は次の通り。
・エアコン(600W)連続時間:約13時間
・電子レンジ(500W)連続時間:約9.5時間
・19インチ液晶テレビ(43W)連続時間:約80時間
・DVDプレーヤー(60W)連続時間:約58時間
・IHクッキングヒーター(650W)連続時間:約7.5時間
という感じで、やはり一番気になる『家庭用エアコン』の作動時間も約13時間と、一晩は優に持つ計算となります。
その上、家庭用エアコンの効きは強烈なので、バンコンなどの狭い室内では逆に効き過ぎて頻繁に入り切りをしなければならないとも聞くため、温度を高めに設定していれば消費電力も下がるため、さらにバッテリーが長持ちしそうです。
走行充電システムや、バッテリー間の性能のばらつきによる充電の不均衡を解消するためのシステムも組まれているようで、何気にKULOS(車輌・船舶用/リン酸鉄リチウム電池搭載)という電源システムは凄い製品なんだと改めて知りました。
さて、先ほどの大きな扉の向こうには独立したベッドルームがあり、この大きさであれば就寝定員の3名は楽に寝ることができるでしょう。
こだわりのベッドマットと、家庭用エアコンがあれば真夏の車中泊も問題なくこなせそうです。
問題があるとすればこの価格で、オプションなしの車両で610万円(税別)という価格は、バッテリーシステムや家庭用エコアンがいいのは分かってはいますが、なかなか手が出せる価格ではありません。
と思いながら車両サイドを見てみると『エクステンションボックス』も装備されているようで、「こ、この装備とバッテリー、家庭用エアコン、etc・・・であれば600万円も価格的には高いとは言えないかもな・・・」と妙に納得した次第。
室内家具の質感や装備品には非常に惹かれるところのあるバンコンですが、前述の通り誰もが気軽に購入できる車両ではありません。
キャンパー鹿児島は普通のバンコンビルダーになっちゃったのかと心配しましたが、電源システムの開発や実用化など、やはり他の一般的なバンコン専門ビルダーとは一味違うと今回のジャパンキャンピングカーショー2015の展示内容を見て思う私でした。
来年のジャパンキャンピングカーショー2016には再びどんな新しい技術とキャンピングカーを開発してくるのか、楽しみなキャンピングカービルダーだと思います。
まだまだ人が増え続けているような感じがする、ジャパンキャンピングカーショー2015 in 幕張メッセの会場内の様子です。