ジャパンキャンピングカーショー2015 in 幕張メッセ【ロータスRV販売の『マンボウ エグゼ』を検証】
ジャパンキャンピングカーショー2015 in 幕張メッセの会場に来ています。ロータスRV販売のコーナーに展示してあった、マンボウ エグゼというマツダのボンゴトラックをベース車両とした小型キャブコンを見ていきます。
全長4,880mm×全幅1,810mm×全高2,650mmと、キャンピングシェルとベース車両のキャブ(運転席・助手席)部分の段差もミニマムで、なかなかバランスの取れたスタイリッシュな小型キャブコン。
エントランス部分は十分な広さがあり、靴を2足程度置けるスペースがある上、滑り止め加工されたビニール張りのため、汚れても水で洗い流せそうです。
バンクベッドは人が寝ることを想定しておらず、バンクベッドのスペースは収納庫になっており、正面に液晶テレビが装備されていました。
バンクベッド部分をあえて就寝スペースにしないことで、荷物がフロアベッドに散乱しないため、2~3名用の小型キャブコンだと割り切ってしまえばかなり快適なキャンピングカーかもしれません。
天井付近の壁面には最近の国産キャブコンでは定番となりつつある『家庭用ルームエアコン』が装備されています。これはオプション品になり、価格は25万円。「えっ、小さい家庭用エアコンなのに25万円もするの!?」と思われそうですが、発電機(ホンダのEU16i)とのセット価格ということ。
エアコンが5万円、発電機が10万円とすれば、取り付け加工費プラスロータスRV販売の利益が10万円で25万円といったところでしょうか。
家庭用エアコンを自分で小型キャブコンにインストールすることを思えば10万円は安いと思います。私であれば迷わず最初からキャンピングカービルダーである、ロータスRV販売さんに取り付けてもらいますね。
サードシートには3点式のシートベルトが装備されてはいますが、垂直に立った背もたれを見る限り、長時間の乗車は厳しいかもしれません。やはり移動中にいちばん快適なのは運転席・助手席ではないかと思います。
最後部にはL字型のギャレースペースがあり、シンクと冷蔵庫が装備されています。冷蔵庫は40Lで少し奥まった位置にあるため、車外から手軽に使うという訳にはいかないかもしれません。
ただ、エントランス付近に設置するとすればサイドソファーが犠牲になってしまうため、使用頻度から考えればこの位置でも問題ないかと思います。
シンクもバンコンなどで流行っているミニミニシンクではなく、大きさも深さも十分で実用的なサイズを採用。給・排水タンクの容量が20Lなのは小型キャブコンなので仕方のないところ。逆にそれ以上の容量があっても持て余すかもしれません。
ギャレースペースの目の前にはフリールームがあり、扉を開けるとポータブルトイレが設置されていました。
結構両側の壁がギリギリのような感じがしますが、実際に個室に入りポータブルトイレに腰掛けてみましたが、実用性に問題はなさそうです。
備え付けてあったのは、『ポルタ ポッティー』というポータブルトイレで、これ以外のポータブルトイレでも極端に大きなサイズでなければ十分フリールームに収まりそうです。
ポータブルトイレの蓋を閉めるとこんな感じで、このままでは上部の空間がもったいないため、棚か何かを作って普段は収納庫として使い、緊急時のみポータブルトイレを使うという手もあります。
最近はどんな山奥でもコンビニがあり、道の駅や高速道路のパーキングエリアにもトイレは完備されているので、トイレが本当に必要になるのは渋滞時やトイレのないところで車中泊する時ぐらいかもしれません。
そう言う意味ではフリールームを遊ばせておくのはいかにももったいなく、棚などを自作して有効活用する方がいいと思います。
後ろを振り返ると知らないオッサンがマンボウ エグゼに乗車してきていて、「ギョッ」としましたが、よく見るとロータスRV販売の方がお客さんにテーブルの使い方や、ベッドへの展開方法を説明しているところでした。
ベッドを展開している場合でも、『お座敷モード』でテーブルを使用することができるようになっています。短いテーブルの足が付いていて、最初見た時はフリスビーかと思っていたお皿を座面に置けば、テーブルの足がシートにめり込みません。
なかなかうまく考えられています。
ちなみにベッドに展開していない時にテーブルを使う場合には長い足の方を展開し、対面シートの状態やお座敷シートモード(ベッド)でも両方のモードでテーブルが使えるよう非常に工夫された造りになっているのが特徴的。
パタパタとロータスRV販売の方が座席モードからベッドモードにチェンジしてくれました。エントランス部分にあるすき間も補助マットで埋めることができ、そうすればフロア全体がベッドとして利用でき、その時の就寝定員は3名となっています。
やはりゆったりと使うには2名で使用するのが理想的で、それ以上の人数で就寝しようと思えば、バンクベッドを就寝スペースにしているその他の『マンボウ』シリーズとなります。
エアコンの室外機も室内側の機器の真下辺りに置いてあるため、配管や電気コードの取り回しについて等、よく考えられていると思います。
スカート部分の地上高がやや低いのが気にはなりますが、小型キャブコンであればこんなものかもしれません。テールランプの形状も個性的で、LEDライトのため夜間の視認性にも優れていると思います。
標準装備のロータス エグゼに家庭用エアコンを装備すれば、450万円そこそこで家庭用エアコンとフリールーム(ポータブルトイレ付き)が装備されたキャブコンが手に入る計算になるため、小型キャブコンと言えどもかなりお買い得なキャンピングカーだと私は思っています。
あまり派手な宣伝はしていませんが、小型キャブコンの中でもかなり『イイ線』を行っているキャンピングカーだと私は見ています。