ジャパンキャンピングカーショー2015『ファンルーチェ ヨセミテラウンジ』を検証
2015年に幕張メッセにて開催されたキャンピングカーショーで気になったキャンピングカーを検証してみます。
キャンピングシェルの部分に強化フレームが入っている、ファンルーチェのヨセミテラウンジというカムロードベースのキャブコンキャンピングカー。強化フレームが入っているキャンピングカーは数少ないため、非常に気になる存在。
見た目もなかなかカッコよく、この丸っこいデザインも私好み。
エントランスドアはアメリカ製のペラペラドア。強化フレーム入りのキャンピングカーなのだから、ドアも厚みのあるユーロドアにして欲しいところですが、キャンピングカービルダーの考えもあるのでしょう。何十万もの差額が出るパーツではないと思うので、エントランスドアは一考の余地ありです。
エントランスステップは小さな内階段付き。コレは乗り降りの際に便利です。
車両センターにあるエントランスを入ると目の前はダイネットスペース。ただ、普通のキャブコンタイプと違うのは運転席・助手席の背もたれを使ったダイネットを展開していて、セカンドシートと運転席・助手席の背もたれを使ったダイネット空間としています。
これはスペース効率が非常に良く、中途半端に背もたれの低い後ろ向きのセカンドシートを装備するよりいいと思います。
ダイネット部分がセカンドシートのみなので、車両サイズが全長4,950mm×全幅2,040mm×全高2,930mmでも室内空間に余裕があります。
最後部にもうひとつラウンジタイプのダイネットがあり、前方のダイネットと合わせてダブルダイネットになっています。家族4人であれば、後方のダイネットで大人がくつろぎ、前方のダイネットで子供達がくつろぐという使い方も可能。
この部分はベッドにもなるので、バンクベッドと合わせて4名の就寝であればかなり余裕のある空間。
天井付近にあるキャビネット類も充実しており、小物の収納には困らなそうです。
角の取れた扉のデザインが秀逸で、これなら不用意なケガをしなくて済みそう。私の所有しているバンテック社のジルは天井付近のキャビネットを始め、その他の収納庫の扉も角が鋭く、購入した当初はよく手にケガをしたもの。
結局それが嫌で収納庫の大部分の扉の角を紙やすりで丸くして使用しています。細かい部分ではありますが、キャンピングカーの車内という限られた空間の中では、そのような点も見過ごせません。
もはや国産キャブコンタイプのキャンピングカーではスタンダードになりつつある、国産家庭用エアコンもしっかり装備されていて、メーカーも信頼のダイキン製。ポータブル発電機も標準装備されていることから、どのような環境下でも快適に過ごせるでしょう。今のところコレ以上の空調設備はないと思われる程国産エアコンの存在は大きいもの。
運転席・助手席の背もたれを利用するということですが、こうして見ると背もたれを利用するというか、『手前のベンチを何とか使えるようにした』という感じ。
長時間座り続けるには厳しい大きさですが、最後部にもうひとつ広いダイネットがあるため、食事などを済ませればそちらに移動すればいいこと。
セカンドシートとリアダイネットの間にはクローゼットがあります。
少し嵩上げされた空間になっていますが、棚などを設置すれば大きな収納庫として重宝しそう。ポータブルトイレを置くにはギリギリのサイズで、ちょっと難しいかもしれません。
バンクベッドは油圧ダンパー付きの跳ね上げ式で、コレはいいです。引き出し式より力もいらず、運転席・助手席の頭上空間も確保もでき、これは他のキャンピングカービルダーさんにも真似をして欲しいところ。
リアから見た感じはこんな感じで、リアダイネットの座面下が収納庫になっているようです。あまり大きなものは入れられないようですが、あれば便利なことは確か。右側のサイドスカートには発電機を収納するスペースもあります。
強化フレームが入っているキャブコンで、他のキャンピングカービルダーの同じような車両と価格的も同程度であれば、私ならキャンピングシェルの強度があるキャンピングカーを選びたいもの。
MYSミスティックのアンセイエというキャンピングカーも壁面剛性が高そうなキャンピングカーですが、それと同等か、それ以上の強度があると思われます。
追突された時のことを考えればキャビンの剛性は高い方がいいと思うので、同じようなコンセプトのキャンピングカーが他のキャンピングカービルダーさんでも追随して開発してくれるといいのですが・・・。