バンテックセールス(ジル520クルーズを隅々までじっくり検証)

バンテックのブースの中でも最も高額なフラッグシップとも言える、ジル520クルーズを見ていくことにします。

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多くのトラックベースのキャブコンがトヨタのキャンピングカー専用シャーシであるカムロードを採用しているのに対し、こちらはいすゞのエルフを採用。しかも駆動方式は4WDの5速セミオートマ。排気量は3,000ccで150馬力というエンジンスペック。

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私の所有している2001年式のバンテック・ジルは、排気量こそ3,000ccと同じですが、馬力は92馬力と極めて非力。当然ゼロスタートは回りの乗用車などについてはいけず、ノロノロとスタートし、時速40キロ付近からややまともに加速が始まる感じ。特に2艇積みのジェットスキー用トレーラーを牽引している時など、出だしはまさに亀のようで、まさしく『亀ロード』といった趣。

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「う~む、いいなぁ~このパワーと信頼のベース車両」しかも、4WDはカムロードと違いフルタイム4WDではなくパートタイム4WD。フリーホイールハブの切り替えは必要ですが、キャンピングカーなどは常に4WDである必要は全くなく、必要な時に4WDに切り替えて使う方が圧倒的に多いため、燃費の面でもパートタイム4WDは有利。

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早速車内に入りますが、まず目についたのがこの蛍光灯の照明機器。車内の大半の照明機器がLED仕様になっているにも関わらず、ここだけ蛍光灯というのはいかがなものか・・・。

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確かに100Aのサブバッテリーを4基も搭載しているため、電力事情は豊かかもしれませんが、エアコンを動かしたりすればそれなりに電力を消費するはずなので、少しでも節電の意味と、時代の流れとして室内照明全てをLED化することができなかったのでしょうか?少し疑問を感じます。

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さて、肝心のレイアウトはエントランスを入ってすぐにダイネット、後方に2段ベッド、その間にトイレ&シャワールームを挟む極めてオーソドックスなレイアウト。

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特に奇をてらう感じではありませんが、5X2クラスのキャブコンではこれが一番車内の空間効率がいい配置となります。あ、520だから、全長は5190mmと、5mを190mm超していますが、この190mmが効いていて、車内の広々感はなかなかのもの。

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家庭用エアコンもしっかりと装備されていて、これだけの空間を冷やすには家庭用エアコンがあれば必要十分で、かなり快適に過ごすことができるのは間違いありません。しかもインバーターをサブバッテリーで駆動し、家庭用エアコンの電源としているため、騒音も出さずに静かに車内を冷やすことができるようです。

「いいなぁ~家庭用エアコン」と思いながら見ていたのですが、ふとあることに気がついてしまいました。「ん、エアコンの吸気部ってどこだ?エアコンの上のすき間なのかな?」と思い、エアコン上部のすき間を見てみますが、ご覧の通りすき間がやや空いている程度。「これくらいのすき間で大丈夫なんだ~、狭い車内だからこれで十分なのかな?」と思ってしまいました。

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しかしそれより気になったのが、LED照明機器に繋がれている配線の処理の雑さ加減。『とりあえず配線しました~』という感じが見え見えで、できればコルゲートチューブなどで養生して固定をして欲しかったところ。バンテックのキャンピングカー全般に言えることですが、このような見えない場所の手抜きが多いような気がします。

私のジルもFFヒーターの裏側の配線がガムテープで乱雑に留めてあったりと、数百万円もするキャンピングカーの割には細部に渡っての気遣いができていないと感じるところ。その傾向は13年経過した今もあまり変化していない様子。

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さらによく見ると、上の写真の最奥部には黄色い配線が家具の間に挟まれるような格好で施工されていて、これでは走行中の振動などで断線してしまう恐れがあります。この辺りは、870万円もするキャンピングカーなのですから、しっかりとチェックをして欲しいものです。

そしてふと思ったのですが、このエアコンのフィルターを掃除しようと思ったら、どうすればいいのでしょうか?家具でがっちりと覆われていて、ワンタッチで開くような構造にはなっておらず、「まさか家具をバラさなければフィルターの掃除が出来ないんじゃ・・・」と思ってしまいました。しかしバンテックの社員の方に聞く勇気がなく、聞けずじまいでしたが、少し疑問に思ってしまいました。

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電源系はシートの下にきっちりと収められていて、これだけで80kg近い重量があるはずなので、やはりシャーシの許容重量に余裕のあるリアダブルタイヤのいすゞのエルフを採用したのは正解かもしれません。

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キッチン上の換気扇はダクトが必要なため、ここは仕方のないところかもしれませんが、コンロはカセットコンロ、もしくはIHクッキングヒーターにして、換気扇を廃してもいいかもしれません。

なぜなら、ビルトインコンロの火力は弱い上に、この換気扇私のジルにも装備されていますが、音ばかりがうるさくて換気効率が決していいものではないためです。この換気扇も13年前から何ら進化せずにここまできているようで、キャンピングカー業界というものは一般の自動車業界に比べて10年程遅れていると感じるところです。

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ビルトインコンロへのガス供給はカセットガス方式で、ここはLPガスボンベを搭載するスタイルから進歩している様子。カトーモーター製のカセットガス供給装置が後部2段ベッド下に収納されていました。

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後部2段ベッドの下段に寝てみましたが、かなり横幅もあり、適度な囲まれ感もあって、快適に就寝できると思います。以前であれば後部居室にエアコンが装備されていなかったため、後部2段ベッドが蒸し風呂状態になることもあったようですが、今はその様な懸念はありません。

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冷蔵庫も昔の3WAY冷蔵庫ではなく、1WAYの冷蔵庫を採用し、この辺りは多少の進化が伺えるところです。

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まぁ、いろいろと細かい点は目につきますが、全体的にはよくできたキャンピングカー。何よりベース車両が信頼の国産トラックというところが評価大で、これならば旅先で何かトラブルがあっても、迅速なメンテナンスが受けられます。まだまだ進化すると思われるバンテックのジルシリーズ、これからが楽しみです。

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