キャンピングカーのトイレのことを真剣に考えてみました
私のキャンピングカーの装備品の中でも一番活躍していると思われるのが『カセットトイレ』。車の中で用を足すことにためらいを感じる人もいるとは思いますが、実は私も最初はその中の一人でした。
しかし10年以上トイレ付きのキャンピングカーを使用してきて、トイレがあって本当に良かったと思えた時は・・・
・お盆休み時の高速道路のSA・PAのトイレが大混雑
・渋滞時の子供の緊急事態(特に大)
・スキー場に車中泊していて外は猛吹雪
・道の駅などで車中泊していて起きたら外は大雨
・キャンピングカー内で酔っ払って寝ていて夜中にトイレに行きたくなった時
・トイレのないゲレンデでジェットスキーに乗っている時
・とにかく100m先のトイレまで行く時間的余裕がない時・・・
など、推挙にいとまがありません。
ただ、前述の通り、私も最初自分の所有しているキャンピングカージルのトイレに、洗浄用の水と、汚水タンクに消臭用ケミカルはいつも入れておいたのですが、最初の半年位は誰にも使わせませんでした。
というのも、後処理が面倒に感じたことと、新車の新品トイレは使わずに、どこにでもあるコンビニや道の駅、高速道路のPA・SAでトイレは済ませばいいと考えていたから。
しかしあるトイレのないジェットスキーゲレンデで、家族の誰かがトイレに行きたいと言い出し、トイレまでは車で10分程掛かるため本当にやむなくトイレの使用を認めました。(今となっては偉そうに・・・、という感じですが・・・)
そしてその帰りに高速道路のSAで車中泊をしている最中に大雨が降り、そんな中今度は私がトイレに行きたくなってしまいました。「もう既にトイレは使用済だから、自分も使っちゃおう、どうせ処理するのも自分だし・・・」と、なかばヤケクソ気味にトイレの使用を家族全員で開始。
一度キャンピングカー内のトイレが解禁になると、今度はわざわざ外のトイレを使う気がしなくなってしまう程、便利な存在になってしまいました。最初は何だか苦痛だったトイレの処理にもすっかり慣れ、今やトイレのないキャンピングカーなど考えられないキャンピングカーライフを送っています。
キャンピングカーのトイレは主に次の3種類。
・カセットトイレ(国産キャブコン・バンコンなどに採用)
便器が車体(フリールームなどの個室)に固定されているタイプで、狭い空間でも使用しやすいように、便座部分が動く(首振り)製品もあります。洗浄用の水はカセットトイレ本体の洗浄水用タンクにホースで入れます。
カセットトイレはその名の通り、カセットのように汚物タンクをキャンピングカーの外部に引き出すことができ、汚物タンクだけを家庭用のトイレに持っていき、処理をします。
ポータブルトイレに比べて着座時の安定感がある上、洗浄水・汚物タンク共にポータブルトイレより容量に余裕があります。
・ポータブルトイレ
カセットトイレと違い、キャンピングカー内のどこにでも設置可能で、使わない時は外部収納庫やシート下に置いておけることがメリット。価格もカセットトイレより安価(1/3~1/5の価格)のため、気軽に設置できる点も◎。
ただ、フリールームやカーテンなど、視線を遮るものが無い場所での使用は厳しいため、基本的にはフリールームに置いて使用するというのが現実的。たまにバンコンでカーテンなどが一切無い車内にポータブルトイレを置いてあり、「トイレの使用も可能」などと謳っているキャンピングカービルダーもありますが、実用性がないので注意しなければなりません。
洗浄方式はカセットトイレと基本的には一緒で、ポンプで加圧して洗浄するタイプも登場してきているため、使い勝手に大きな差はありません。
基本的な構造として、上部に洗浄水用タンク、下部に汚物タンクの構成となっていて、下部の汚物タンクは切り離しできるため、汚物タンクだけを外して家庭用のトイレなどで処理をします。
・輸入車(特にアメリカ製)に付いている固定式トイレ
輸入キャンピングカー(特にアメリカ製)には、家庭同様の便器が取り付けてあるキャンピングカーがあり、日本国内ではそれにウォシュレットを取り付けて家庭同様のトイレ環境を実現させているツワモノの存在も・・・。
さらに汚物を溜めるタンクの容量もハンパな容量ではなく、120L~150L程の容量があるものが普通。このタンクのことをブラックタンクと呼び、反対に生活水などの水を溜めるタンクのことはホワイトタンクと呼びます。
いずれにしても装備される車両を選ぶトイレのため、一般的には国産キャンピングカーに装備されることの多い、カセットトイレとポータブルトイレの違いを理解していれば事足りるでしょう。
ちなみに、私が今いいなと思っているカセットトイレとポータブルトイレ、その周辺消耗品などのご紹介を少し・・・。
こちらは、セットフォード社のカセットトイレC402C。現在私のキャンピングカージルに装備されている、セットフォードC2の後継モデル。デザインが丸みを帯びてていて近未来的。トイレルームがオシャレな感じになりそう。
こちらは、セットフォード社の首振り式カセットトイレC200-CW。首振りタイプのため、狭い場所でも設置可能。ただ、背面部分の高さが高いため、キャブコンなどの外部アクセスドアの開口部が狭くなるというデメリットもあります。
ポータブルトイレはドメティック社の2種類を推奨。
容量が9.8Lと18.9Lの二種類あり、安定感や使用感も多くの方が高評価を与えている製品。バンコンに簡単なフリールームを造ってそこに入れておくだけでも、安心感が違うかと・・・。もちろんキャブコンのフリールームを有効活用したい場合にも非常に便利なポータブルトイレ。
次に我が家のキャンピングカージルのカセットトイレに実際に使ったことのあるケミカルをご紹介。
最初はキャンピングカーショップの言う通り、このアクアケムグリーンを使用していました。非常に香りがキツイ消臭剤で、悪臭を香りでねじ伏せている感じ。ボトルの強度が弱く、収納庫に入れていた液が漏れ出して大変なことになったことも・・・。
で、現在はこのアロン化成のポータブルトイレ用防臭液Sを使用。これは香りもあまりキツくない代わりに持続時間が短いのが特徴。24時間しか持たないと書かれていますが、それ以上の時間使用しても特に支障はナシ。ホームセンターで500円前後で気軽に買えるところも気に入っています。
この他にもキャンピングカーのトイレ用ケミカルは粉末状のものや、あらかじめ洗浄水用タンクに入れておくものなど、多種多様あるため、いろいろと試してみて自分に合うトイレ用ケミカルを探すのもいいかもしれません。
一番の対策としては、使用したら速やかに処理をすることに尽きますが、どうしても処理ができない状況下で旅を続けるのであれば、キャンピングカー外のトイレも上手に使いながら、旅を続けたいものです。
参考までに国産キャブコンなどに多く採用されている『カセットトイレ』の使い方を紹介しておきます。
1.水洗タンクに洗浄水を入れます。この際、便器に汚れが付着しないように、できれば洗浄水に洗浄液を入れたいもの。
2.汚物タンクには消臭と汚物の腐敗防止のためにケミカル材を入れておきます。
3.カセットトイレを使う前には一度軽く水を流し、汚れが付着しないよう水の膜を作るのがポイント。
4.(大)にご登場願う場合には、便器の底に二重にしたトイレットペーパーを敷いておくと、便器に汚れが付かない上、少量の水で流すことができます。コレは本当に大切なポイントで、これを面倒がると後で後悔します・・・。
5.男性も小用は座ってすること。家庭用便器と違って便器のサイズが小さいため、周りに飛び散らないよう、お行儀よく座って使用しましょう。これは家族にも協力してもらえば、トイレを掃除するお父さんも助かります。
6.用を足して水を流したら、汚物タンクとの間にあるシャッターを開けて汚物を汚物タンクに落とします。先にシャッターを開けてから水を流す方法もあり、後者の方が便器に汚れが残りにくいため、我が家は後者の方法を採用しています。
7.汚物タンクが満タン近くなるとインジケーターでお知らせしてくれるものもありますが、あまり一杯にしてしまうと処理の際に非常に重いため、あまり満タンまで溜めずに処理をすることをオススメします。
8.カセット式・ポータブル式のいずれの場合も汚物タンクを本体から取り外して家庭のトイレに流します。この時、エア抜きバルブを押してエアを抜きながら一気にトイレに流さなければ「トップン、トップン」という感じで便器に汚水が落ちるため、思わぬ『おつり』を食らうことがあり、ここは思い切って「ザバ~ッ」と流してしまうのが、『おつり』をもらわないためのコツです。
9.流し終えたらタンクの中を清水で何度か洗浄し、元通りに取り付けます。
10.汚物タンクに消臭・腐敗防止用ケミカルを入れ、減った洗浄水を補充すれば完了です。
こうして文章にすれば長く感じますが、カセットトイレの処理自体にかかる時間は慣れてしまえば10分もかかりません。こんな簡単な処理でキャンピングカーの使い勝手が何倍にもなるため、キャンピングカーのトイレを使わない手はありませんね。