折れてしまったシマノのロッド(トラウトワン エリア スペシャル 60SUL)を素人修理してみた
今回は、先日加賀フィッシングエリアへの釣行にて折れてしまった、シマノのロッド(トラウトワン エリア スペシャル 60SUL)の素人修理の様子をご紹介。
これまで折れた竿の修理と言えば、トップガイドの部分が折れた竿を修理したことがあり、その場合は先端をキレイに処理し、穴径の合うトップガイドを取り付ければ完了という簡単なもの。
今回の修理はそんな簡単なものではなく、細いロッドの『印籠継ぎ』と呼ばれる部分を修復しようというもの。素人のため、できればどこのご家庭にもあるような素材や道具で何とかしたいものです。
まずは折れた個所をじっくりと観察。どうやら継ぎ手部分に使用されている、『印籠継ぎ手芯』というものが折れている模様。ネットで調べると『印籠継ぎ手芯』というものを販売しているところもあるみたい。
さらにじっくりと見てみると、繊維状の材質が縒り合されているようで、これで強度を出している様子。
ということで、先端側に入っている『印籠継ぎ手芯』をプライヤーで引っこ抜いてみました。先端部分に差し込まれている長さは5センチ程、ただ、元部分(リール等が付く部分)には何センチ程『印籠継ぎ手芯』が入っているのか分かりません。
まず手始めに折れた『印籠継ぎ手芯』のサイズをどこのご家庭にもあると思われる『デジタルノギス』で計測。3.38mmという計測結果。
元部分の『印籠継ぎ手芯』は根元から折れているため、引っこ抜くことが出来ませんでした。そこで新たなアイテムとして、どこのご家庭にもある『電気ドリル』を登場させます。
おもむろに元部分にドリルを差し込み、『印籠継ぎ手芯』ごと穴を開けてしまおうという作戦。ブレてしまうかと思いましたが、意外と大丈夫で、グリグリと5センチ程の深さの穴を開けてみました。
続いて『印籠継ぎ手芯』を自作してみることに。カーボンの『印籠継ぎ手芯』などあろうはずもなく、そこいら辺に転がっていた鉄の棒を削って細くしようと思います。
手でシコシコ削っていては夜が明けてしまうため、電動ドリルの先端に鉄棒を取り付け、鉄ヤスリを押し当てて一気に削る方法を選択。
しかし思いの外鉄の棒が固く、なかなか上手く削ることが出来ず、5分で挫折。次に思いついたのが、どこのご家庭にも転がっている、ブラックバス釣りで昔使っていた古いロッドを切り、『印籠継ぎ手芯』として使うというもの。
もう使うことのないロッドのため、躊躇なく切ります。
電気ドリルに装着し、今度は紙やすりで軽快に磨いていきます。
さすがに鉄の棒と違い、今度は削り過ぎて細くなり過ぎないよう、気を付けなければなりません。
なかなか良い感じで仕上がりました。外径もバッチリです。同じ竿の素材のため、鉄の棒よりもフィット感は良さそう。
接着はお得意のコーキング(シリコンシーラント)。
たっぷりと塗りました。
先端も入れてみると、何だか最初に購入した時のような仕上がりに。素人修理ながらに大満足の結果となりました。
さらにもうひと手間を加えます。
補強のため、『印籠継ぎ手芯』を中心とした部分にPEラインを巻き付け、アロンアルフアで固めておきます。
少し痛々しい感じになりましたが、背に腹は代えられません。強度が出ればそれでいいんです。釣り竿は釣りをする道具であり、芸術品ではないですから。
という訳で完成しました。アロンアルフアが乾燥し、実際に室内で軽く竿を振ってみましたが、特に問題は無さそう。今回はどこのご家庭にもある素材や道具で修理を済ませたため、修理代は『0』円となりました。
後は実釣で強度と耐久性を試すのみです。「いやぁ~、こういう貧乏修理は本当に楽しいですね~」竿が折れるのは嫌ですが、修理は楽しいかも~。