カワサキ 新型4ストロークエンジン搭載のシングルジェットスキー 『SX-R』を詳しく検証

ジェットスキー界2016年最大のトピックスは、やはりカワサキから新たに発売される4ストロークエンジン搭載のスタンドアップでしょう。

新型SX-R

数年前から開発をしているという噂が出ては消え、ということを繰り返していたため、最初発売されると聞いた時、にわかには信じられませんでした。

新型SX-R

ただ、次第にテスト光景の写真や動画がネット上に出回り、ついにはカワサキモータースジャパンのホームページに予告動画が出るなど、一気に夢が現実になったような感じでした。

新型SX-R

スペックと価格がカワサキモータースジャパンのホームページに出ていたので、少し検証してみます。

エンジンは当初の想像通りSTX-15Fのエンジンを採用。STX-15Fのエンジンは発売から10年以上経過しており、ジェットスキーのエンジンの中ではロングライフモデルで、安定感も抜群。

パワーもそこそこ(152馬力)あり、ジェットスキーのエンジンの中では信頼性が高いエンジンとなります。私もSTX-15Fを8年間所有し、180時間程乗りましたが、エンジン関係のトラブルは皆無でした。

それだけ信頼性のあるエンジンですから、新型スタンドアップのエンジンとしても無難な選択だと思われます。

新型SX-R

船体サイズは、全長2,655mm×全幅765mm×全高840mmという大きさで、先代の2ストロークエンジン搭載のカワサキ800SX-Rのサイズが全長2,300mm×全幅730mm×全高735mmというサイズですから、新型SX-Rは先代モデルより、全長355mm×全幅35mm×全高105mm大きくなりました。

特に全長が355mm長くなり、これはSEA DOO SPARKの2人乗りモデルの全長2,790mmにあと135mmまで迫る大きさ。

船体重量は・・・

800SX-R・・・159kg(乾燥重量)
1500SX-R・・・250kg(整備重量)

というスペックで、乾燥重量と整備重量の違いはありますが、800SX-Rの整備重量は+20kg程で、800SX-Rを整備重量に換算すると、180kg程だと思われます。

ここで両者のパワーウェイトレシオを比較。

800SX-R・・・159kg ÷ 80ps = 1.99kg/ps
1500SX-R・・・250kg ÷ 152ps = 1.64kg/ps

ということになり、新型SX-Rの方がパワーウェイトレシオの数値だけを見ると有利。絶対的な重量は新型SX-Rの方が重いのですが、パワーでその重量増をねじ伏せるといった感じでしょうか。

続いて細かい装備関係を検証していこうと思います。

新型SX-R

まずは、『スタンドアップモデルとしては初めて採用されたKSD(カワサキ・スプラッシュ・ディフレクター)。』ということで、ランナバウト並の船体サイズのためしょうか、ライディング中に水しぶきがライダーに掛かりにくいハル形状を採用。

コレ、いいですね。ランナバウトよりシングルジェットスキーの方が航行中に波をかぶることが多いため、完全に防げないまでも、かなり快適なライディングが可能かと。

新型SX-R

『エンジンフード上部には、ロープや信号紅炎等のアイテムを収納可能なストレージ(ラバーネット付き)を装備。』とあり、確か800SX-Rはフード内に小型の筒があり、その筒に信号紅炎やロープなどを収納していたような気がします。

ただ、水面上でシングルジェットスキーのフードを開けるのは危険。船体の喫水の関係から、波のある場合はエンジンルームに盛大に水が入ってきてしまいます。

そのため、このようなオープンスペースにラバーネットを被せた形の方が実用的。しかし、このラバーネットの留め方が若干チープだと感じるところ。ゴム素材を引っ張ってピンのところで留める仕組みのようですが、もう少し見た目も考えて欲しかったと思います。

あまり複雑な機構にしてしまうと船体重量が増える上、コストが掛かるため、このような簡易にして少し安っぽい造りになったのかもしれません。

実用的だと思われるだけに、少々残念なところではあります。

新型SX-R

『盗難抑止効果がある、キー操作のイグニッションスイッチを採用』とあり、これはSTX-15Fと同様な機能なのでしょうか?

ただ、ジェットスキーが盗難などに遭うのは水面に浮かべている時ではなく、自宅や艇庫などに保管している時が圧倒的。そのような場合にはこの装置も役には立たないような気もするのですが・・・。

単純にコストアップするだけの装備品のような感じもするので、ここは要考察ですね。

新型SX-R

『優れた走行安定性と、クイックなコーナーリングを可能にしたスポンソン』とあり、これはランナバウトに採用されているような大型スポンソンのため、効きは良さそう。船体が大型化しただけに、スポンソンも大型化しなければ効果が現われないということでしょうか。

新型SX-R

『フットスペースを広く取ることで、ライディングの自由度が高くなっています。』とあり、フットスペースのサイズの詳細は不明ですが、800SX-Rより船体が大きなシングルジェットスキーのため、フットスペースも当然大きくなっていると思われます。

この辺りの感覚は実際に試乗艇などに乗ってみないと分からない部分もあり、これから各地で開催されるであろう試乗会に期待ですね。

新型SX-R

『STX-15Fで定評のある、最大出力152PSを発生する水冷4ストローク4気筒DOHC1,498㎤エンジンを搭載。』とあり、やはりエンジンは当初の予想通り、STX-15Fのエンジンを採用してきました。

新型X-2に無理矢理STX-15Fのエンジンを搭載したジェットスキーもパーツメーカーから出ているため、船体を大きくした新型SX-Rに搭載できるのは当然か。

しかし最近のジェットスキー全般に言えることなのですが、エンジンルームの集積度合は高く、お世辞にも整備性が良いとは言えません。さらに、2ストエンジン搭載のジェットスキーと違い、エンジンを気軽に取り外して整備・改造などができる状態ではありません。

そう言う意味では、ジェットスキーショップ泣かせのジェットスキーが年々増えてきているように感じますね。

新型SX-R

『SX-R専用設計のアルミ鋳造ステアリングノズル(全長102mm、87mm径)。』とあり、ステアリングノズルのサイズが走りにどのような影響を与えているのか、やはり試乗してみなければ分かりませんね。

新型SX-R

『ハンドルポールのパッドに、燃料警告灯(左)とエンジン警告灯(右)を装備。』とあり、最初見た時はカラーのボルトでもデザイン的にネジ込んであるのかと思いましたが、警告灯だったみたい。

4ストエンジンのため、エンジンに異常が起きた際、ライダーにそれを伝えるにはこの場所が最適なのでしょう。ただ、ハンドルポールを社外品に交換する際は、警告灯の移設など、ひと手間が生じますね。

新型SX-R

『800SX-Rのデザインを継承しつつ、ハイパワー化とトップスピードの上昇に合わせて強化したハンドルポール。』とあり、世界広しと言えどもハンドルが上下左右に動いて操作する乗り物など、このシングルジェットスキー以外に無く、この不安定さが楽しい乗り物。

その不安定な乗り物を操る操縦桿として、ハンドルポールと呼ばれるものが装備されているのですが、800SX-Rより見た目がスリムになっているような感じがします。

警告灯の移設等は必要になりますが、そのうちジェットスキーのパーツメーカーからアルミ製等の社外品ハンドルポールが発売されるのでしょうね。

細かく装備品を見てきましたが、まだ実際に乗っていないため、それぞれの効果や使い心地、フィーリングなどは不明。これから各地で開催されるであろう試乗会で確認してみようと思います。

新型SX-R

メーカー希望小売価格は1,326,240円ということで、最近のランナバウトの200万円超えに比べれば70万円程安い価格ではありますが、2ストエンジン搭載のシングルジェットスキーに比べると30万円程高価。

2017年3月16日に発売されるということですから、2017年のゴールデンウイークやお盆のゲレンデでその姿を見ることができると思います。

いずれにしても、久しぶりの新型シングルジェットスキーの登場に、期待感が高まる私でした。

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