東京タワーを見て人間の完璧さを疑う私
東京都心をブラブラと散策しています。
東京タワーのたもとにある『PRINCE HOTEL(プリンス ホテル)』という昔からあるようなホテル。最近の新しいホテルに比べて建物は古い感じですが、かえってそれが歴史を感じさせます。
敷地内にある空調設備のクーリングタワーも年季が入っていて、苔生した感じがいい雰囲気を醸し出しています。
曇り空の中に聳え立つ東京タワーの姿が見えてきました。
よく見ると展望室の窓が開いているようです。
「えっ!あんな高いところの窓を開けてもいいの?」と、少し心配になってしまいますが、デジカメのレンズを望遠にして撮影してみたところ、窓が開いている場所は人の背の高さより1m程高い場所のよう。
あの位置であれば誤って窓から転落するようなことはないと思われ、「東京タワーの展望室の窓って開くんだ~」と初めて知りました。
何だかスカイツリーと違った『ユルさ』があり、昭和を感じさせる光景です。
こうやって眺めると、東京タワーも時代を超えた造形美があると感じますね。
今回は東京タワーには登りませんが、ロビーに東京タワーに関する様々な展示がしてあったため、それを詳しく見ていこうと思います。
これは東京タワー建設当時のもの。1958年(昭和33年)に完成した建造物なので、今から58年も前にこれだけの建築技術が確立されていたことに驚きを隠せません。
写真が白黒とカラーの両方展示されているところを見ると、写真のカラー化が始まる黎明期だったということも分かります。
当時の東京タワー周辺の道路の様子。走っている車の姿がレトロ過ぎて非常に興味深い光景。
『日立カラーテレビ キドカラー』って何だか少し記憶にあるような感じなので、私も歳を重ねたなぁ~と思うところ。
これはおそらく東京タワー完成当時の要人訪問の様子だと思われます。『東京タワー 近道』と書かれた看板が泣かせます。
これは多分東京タワーオープン時の様子だと思われます。
東京タワーのたもとにある、『東京パブリカ コロナ』 『12チャンネル JOTX-TV』などの建物もいい感じ。
これは東京タワーの展望室で開催されたラジオか何かの公開放送の1シーンだと思われます。
トイカメラで撮影されたような東京の街。なんだかジオラマのようですね。
そんな写真の中、私が非常に興味を持ったのがこの『東京タワー』と書かれた今で言うミニバンのような車両。
『一年中で一番眺めの良い季節 世界一の東京タワー』と書かれた車体はおそらく6人乗り程の車体。タイヤが大きく、当時は全ての道が舗装されている訳ではなかったため、車高を高く設計してあります。
さらにフロントマスクもカワイイ印象で、ヘッドライトも良い感じ。さらにテール部分には小さなデッキのような装備もあり、非常にコンパクトでカワイイ車。
今の時代にこんな感じのデザインの車を復刻させたら凄く売れるような気がするのですが、いかがでしょうか?最近の車のデザインはつまらない物が多いため、こんなレトロでカワイイ車のデザインを現代風にアレンジしてみるのも面白いかもしれません。
私ならこの車をバンコンに改造し、ポップアップルーフを取り付け、リアデッキ部分には旅行かばんを模した収納BOXを取り付けたりして、大いに遊んでみたいもの。
もちろんエンジンは最新のディーゼルエンジンを搭載し、安全性を高めたボディーにタイヤの大きさはそのまま。車体のカラーリングを含めたデザインもレトロ調をあまり崩さない方向で開発すれば、かなり面白いキャンピングカーになると思いますね。
これは東日本大震災時のイルミネーションだと思われます。
当時の下町の光景をジオラマで再現したものも展示してありました。
この3輪トラックが懐かしい感じです。私の子供の頃に近くの材木店の店先に置いてあった記憶があります。
非常に緻密にできているジオラマで、当時の街並がよく表現されています。
こうして見ると東京タワーという建造物は美しいと思うのですが、昨今のi-phoneのロック解除やコンピューターウイルス、トンネルの崩壊事故など、人間の造る物に完璧はないと思うところ。
自然界には時に完璧と思われる光景や物が存在する場合もあるのですが、人間の造るものはどこかやはり完璧さに欠けるものがあると感じます。
それを証拠にこれだけ完璧な美しさを持った建物だと思われる東京タワーも、新しいタワーであるスカイツリーとはデザインが異なります。
東京タワーが完璧であれば、同じデザインで墨田区に第二の東京タワーとして建築されるはずですが、50年以上を経て人間は東京タワーの完璧さを凌駕する技術とデザインを発見し、新しくスカイツリーを設計・建造しました。
50年の間に人間は進化し、そういう意味では、まだまだ人間は未熟で発展途上にある生命体なのだと思う私でした。