キャンピングカーのベース車、国産と外車どちらがいい?

今日本で売られているキャンピングカーの大部分は、国産・輸入にかかわらず、大部分が最初からキャンピングカーとして製造されたものではなく、既存の自動車を改造したもの。

しかし、自動車だったらなんでもキャンピングカーに改造できるというわけではなく、改造に適した車種というものがあり、必然的にベースとして使われる自動車はいくつかの種類に絞られることになります。

日本で人気の国産ベース車

キャンピングカーにはサイズに応じていくつかの種類があります。軽自動車ベースの軽キャンパー、ワンボックスカーベースのバンコン(コンはコンバージョン=転換の略)、トラックベースのキャブコン、マイクロバスベースのバスコンなど。それらには、それぞれの種類ごとによく使われている車があります。

・軽キャンパー

軽キャンパーには余計な内装がない商用の運搬用軽自動車がよく使われます。もともと、運送業など向けに広い荷室を備えているので、そこにベッドなどを設えやすいのです。

軽キャンパーベースとしてよく使われる国産車は、ダイハツのハイゼットカーゴやスズキのエブリイなど荷室が広い商用車です。

「軽」とはいいますが、一般的な体型の日本人なら余裕で1人か2人は眠れる広さ。ただし、寝るためにはスペースを作るために荷物を全部降ろさないといけないというデメリットがあります。

・バンコン

バンコンはワンボックスカーをキャンピングカーに改造したものです。軽キャンパーよりも広い居住空間を確保できる上に、日本の住宅事情でも保有しやすく、狭い道でも走りやすいので、国内では軽キャンパーに並んで人気があるタイプです。

バンコンのベース車として人気があるのは、ダントツでトヨタのハイエース。次いで、ニッサンのキャラバンもよく使われています。

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・キャブコン

キャンピングカー市場が成長するにつれ、じわじわ人気が出てきているのがキャブコンです。キャブコンの魅力はなんといってもその広さ。リビングスペースとベッドのスペースが分離されているので、居住性は軽キャンパーやバンコンとは段違いです。

本来トラックに居室ユニットを載せたものがキャブコンと呼ばれていますが、最近ではワンボックスカーの運転室以外を切り取って、新たに居室スペースを載せたものもキャブコンと呼ばれています。

キャブコンベースで一番多いのはトヨタのカムロード。なんといってもこれはキャンピングカーベースにすることを前提にした車種なので、ユーザーだけではなく「キャンピングカービルダー」と呼ばれるキャンピングカー改造職人さんたちにも人気です。

・バスコン

最後に、マイクロバスを改造したバスコンがあります。これは、非常に広くて居住性はいいものの、大きさ的に個人所有するのは難しいタイプなので、日本ではまだまだ普及度は低いです。

バスコンには、送迎バスやテレビ局の中継車などにも使われているトヨタのコースターなどが使われることが多いようです。

ヨーロッパではシェア80%の人気車種・デュカト

さて、これまでは国産車の話でしたが、ここからは海外メーカーについて。

海外キャンピングカー事情に詳しい日本のあるキャンピングカー輸入会社の社長さんによれば、ヨーロッパでのキャンピングカーベース車として脅威のシェア80%を誇っているというのが、フィアットの大型バン「デュカト」です。

デュカトには、貨物用や旅客用など用途に応じた様々なバリエーションがあり、その中にはキャンピングカー用として作られているものもあります。

キャンピングカー用デュカトは、最初から運転席とシャーシのみ、そこにビルダーが居住スペースを設置してキャブコンにします。

また、シャーシすらなく、運転席のみというタイプも。こちらは運転席と前輪だけついていて、自走できません。キャンピングカーメーカーがシャーシと居住スペースを自由にレイアウトすることができます。

ちなみにデュカトは前輪駆動。運転席側にエンジンがあるために、運転席と前輪のみというタイプも提供できるのですね。

そして、前輪駆動ということは、それだけ後部の居住スペースが広く、居室内の高さを高くしたり、床下収納を設置したりと自由度も広がるということでもあるので、そこもキャンピングカーベースとして人気があるポイントです。

また、最近ではキャブコンとして利用する以外にも、運搬用のバンタイプのデュカトをバンコンに改造したタイプも増えているとのこと。こちらは、内部の改造だけで済むので、シャーシに新しく居住スペースを載せるキャブコンタイプよりもローコストなため、ヨーロッパで普及し始めているようです。

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日本でデュカトベースキャンピングカーを使う時の注意点

さて、いろいろデュカトベースのキャンピングカーの長所を述べてきましたが、この記事は別に販促が目的ではないので短所も挙げたいと思います。

まず前輪駆動という点。前輪駆動車は運転席側に重心が偏りますが、その点は後部に重い居住スペースを載せることで解消できるでしょう。しかし、上り坂や雪道で滑りやすいという点は解消できませんので、使用目的が山のほうに行ってのアウトドアだったり、スキーに行くことだったりする場合は要注意。

もう一つは、ヨーロッパとは違って日本ではフィアットのサポートを充分に受けられないという点。特に、キャンピングカーとなると専門知識が必要ですから、日本の一般的なフィアットの代理店では対応できない場合があります。

だから、もし日本国内でデュカトベースのキャンピングカーを使う場合は、まず販売業者のサポート体制を確認しておくこと、そして、キャンピングカーの知識が豊富な修理業者などを見つけておくことが大切になってきます。

それに、ヨーロッパで作られた内装そのままに輸入したものの場合、日本人にとっては使い勝手が悪いこともありますので、実際に使うことを想定して、内部をよくチェックすることも必要。

数百万円するキャンピングカーは、やはり大きな買い物です。重要なのはいかに使いやすいかどうか。「フィアット車ベースのキャンピングカー」というオサレ感にまどわされず、その車がほんとうに自分に合っているかどうかを見極めた上で、国産ベースにするか外車ベースにするかを決めるのがいいと思います。

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