キャンピングカーでアメリカを旅するなんて気軽に考えないほうがいい!?
知人のもう80歳近いおばあさまが、アメリカに住んでいる息子夫婦からこちらに来るように誘われています。
向こうの病院でお医者さんをしているというその息子さんが住んでいる場所というのがけっこうな田舎町で、レストランに行くにも車で2時間以上かかるそうで「そんなところに行くなら、いつでも美味しいものが食べられる日本がいい」と、あえて一人で暮らすことを選んでおられるとか。
まあ、日本でも過疎地のほうに行けば町まで車で1時間というところもあるのでしょうけれど、さすがに食事に行くのに車で2時間以上というところはないでしょう。
それだけだだっ広い国だけに、やはりアメリカではキャンピングカーでの旅も一般的でです。外国人旅行者もレンタルキャンピングカーを借りて旅する人が増えており、近年は日本人の割合も増えているそうですよ。
というわけで、広大なアメリカを、まるでハリウッドのロードムビーの主人公のようにキャンピングカーで旅することを勧めている人がいます。でも待ってください。それは業者のステマかも?
確かに、広い国土を隅々旅したり、車でなければ行けないような場所に行きたいならそれもいい選択肢なのかもしれません。なんといってもレンタル料金だけ払えばいいので、移動費+宿泊費と考えれば割安になります。
それに、アジアの国々と違って、安くて美味しいものを食べられる国でもないので、むしろキッチン設備があるキャンピングカーで自炊したほうが、食生活も充実するはず。
ただ、日本人がアメリカで運転するためには、国際免許証の取得が必要です。国際免許証は、日本国内でも各都道府県の免許センターなどで申請・取得ができます。
でも私はあまり日本人がアメリカでキャンピングカーをレンタルして旅するということをお勧めしたくはないですね。
まず、交通ルールが違います。アメリカ国内で共通のルールもあるし、州によって違ってくることもあります。州をまたがって旅をするというときは、それぞれの州の交通ルールに従って運転しなければなりませんが、日本からいきなり行ってそれらを覚え、対応するのは難しいでしょう。
また、ルール以外のマナーも、場所によって違ってきます。旅行者がそれに合わせるのは不可能ではないでしょうか。
アメリカといっても、実際にはハリウッド映画のような危険が常日頃から待ち受けているわけではありません。しかし、だからといって日本のように安全だとも言えないわけで、そこを日本と同じ感覚で旅していると「命が助かっただけでもよかった」という目にもあいかねません。
もちろん、実際にキャンピングカーを借りて、安全に、楽しくアメリカを旅してきたという人も存在しますから、そこまで神経質に危険視することはないだろうとも思うのですが、世界一安全と言われる日本に暮らしていると、その恩恵を当たり前のように思っていて、外国に行っても危機管理ができない人というのは確実にいます。そういう人は危ない。
少なくとも外国慣れしていないような人が、いきなりアメリカに降り立って即キャンピングカーを借りて運転するというのは、やめたほうがいいかもしれません。