キャンピングカーユーザーが飼っているのは犬と猫のどちらが多い?
2016年に日本RV協会が行ったキャンピングカーユーザーに対するアンケートでは、キャンピングカーの旅にペットを連れて行く人が63%とかなり高い割合であることがわかりました。
さらに、必ず連れて行くという人は51%と、キャンピングカーユーザーにペットと旅を楽しみたい人が非常に多いことが伺われます。
このアンケートでは、同時にキャンピングカーユーザーが飼っているペットの種類も調べられました。それによると、小型犬・大型犬合わせて犬が57.4%と最も高く、猫は6%にとどまりました。
この結果に対して、日本RV協会は「近年“猫ブーム”と言われながらも、猫を飼育しているユーザーの率はわずか6%にとどまった。」という見方を示しているのですが、これはちょっとおかしい考え方です。
まず、現在日本で犬と猫がどれだけ飼育されているかを見てみましょう。
一般社団法人ペットフード協会が発表した2015年の犬と猫飼育実態調査では、推計で犬が991万7千匹、猫が987万4千匹となっています。猫の飼育数は年々増加傾向にあり、ペットフード協会はいずれ猫の飼育数が犬を上回るであろうとしています。
この傾向はまさに「猫ブーム」といってよく、飼育数もほぼ犬と並んでいます。ところが、日本RV協会のアンケート結果では猫を飼育している人は6%。
これはつまり、キャンピングカーユーザーが、いっしょに旅に連れていける犬を好んで飼育していることを示しているに過ぎず、猫ブームなのに猫を飼育している人は少ないじゃないかという指摘は的外れであるとしか言いようがありません。
そもそも、猫好きの人は猫の見た目のかわいらしさだけではなく、その性質なども含めて愛しているのです。そして、猫好きの人は猫が自分の縄張りから離れたところに連れて行かれるのを嫌うことも知っているので、旅に連れて行こうとは思いません。
だいたい、猫好きの人は、家で猫と過ごすのが好きなのです。かまおうとするとそっぽを向き、忙しいときにはかまえと言ってくるわがままさも好きなのです。
そして、自分が眠い時だけ膝の上に乗ってきてなでろと言うような態度が好きなのです。外で一緒に猫と走り回って遊びたいなどという猫好きはいません。
そんな猫好きが「いっしょに旅に出るため」キャンピングカーを購入するはずがない。逆に、キャンピングカーを購入するような、キャンプ好き、旅好きの人が、いっしょに出かけられない猫を飼おうとする可能性も少ない。
これが、このアンケート結果から読み取られるべき正しい分析です。
そもそも猫は自動車のようなブルブル震えてうるさいものが嫌い。狭くて静かなところにじっとしているほうが好きなのです。
だから、キャンピングカーなんかに乗せてどこだか知らないようなところに連れて行かれるのは嫌いなのです。
普段からキャンピングカーの中に入れて、そこをその子の縄張りのうちに入れ、それから旅に連れて行くのはいいかもしれません。
ただ、行った先で外に出すのは止めておきましょう。ヘタをすればパニックをおこして逃げ出し、行方不明になってしまいます。そんなことになったら猫と飼い主双方にとって不幸なこと。
ですから、旅に連れて行くなら犬のほうがいいというのは当然で、ペットといっしょに旅したい人が犬を選ぶのも当然のこと。そして、犬を飼っている人のほうがキャンピングカーを購入するのも当然のことかもしれません。
ところで、犬を連れて旅する人が所有するキャンピングカーの種類は、約半数がキャブコンだとのこと。
キャブコンというのは、トラックのキャブ、つまり運転室だけ残して、後の荷台の部分は居住区画に付け替えてしまうというもの。
最初からキャンピングカーにすることが前提で、シャーシと運転室だけ作られ、そこにキャンピングカービルダーが居住ユニットを取り付けるというものもあります。
キャブコンの特徴は室内が広いということ。小型犬なら走り回って遊べるし、大型犬でも余裕で収容できます。
ペットを連れて旅に出たい人が、キャンピングカーを買うのは、やはりペットといっしょに泊まれる宿泊施設が少ないからという理由が多いようです。大型犬の場合は、車で連れて行くにしてもそれなりの広い荷室がなければ連れていけません。
その点、キャンピングカーであれば、ペット連れでも気軽に旅に出られる上、さらにキャブコンなら広さ的にも申し分ありません。
ただ、気になるのは、犬を連れて行く人で移動中にケージに入れているという人が22%弱だったこと。
RV協会は「ケージの利用率も高く、「移動中は専用のケージなどに入れておく」と答えた人の率も、21.7%に達した。」などとしていますが、22%弱は決して多いとは言えません。
道路交通法では、同乗者はシートベルトをつけることが求められていますが、犬に対して決まりはありません。ですから、必ずしもケージに入れておかねばならないということはありません。
しかし、万が一事故が発生した時のことを考えれば、車内で放置しておくよりも、頑丈なケージに入れておいたほうが、被害にあう確率は低くできます。
シートベルト着用が求められるのはあくまで安全のため。それと同じように、ペットの安全を確保するためにも、移動中はケージに入れておくことをお勧めします。
とはいえ、ケージに入れっぱなしではかわいそうなので、時々休息をとり、ケージから出してあげるのがいいでしょう。
最近はドッグランを併設しているサービスエリアも増えてきています。ドッグランでひとしきり遊ばせてあげれば、犬のストレスも軽減できます。