キャブコンタイプのキャンピングカーのメリットを考えてみました
今回はキャンピングカーの人気車種でもあるキャブコンについて書いてみようと思います。
その前にキャブコンとは、トヨタのキャンピングカー専用シャーシであるカムロードやいすゞビーカム(エルフ)など、トラックのキャブ(運転席部分)とシャシーを使用し、シャシーに居住部分を架装(載せた)したものを言います。居住空間はベース車両とは完全に違う造作物になるため、キャンピングカービルダーによってその形態は様々。
そんなキャンピングカーの1ジャンルであるキャブコンのメリットを書いてみたいと思います。
キャブコンタイプのキャンピングカーのメリットは、シェルがFRP素材、窓にはアクリル二重窓が採用されている事が多いため、鉄板とガラスで覆われているバンコンより真夏の炎天下での車内温度の上昇が緩やか。
さらにルーフベントファンなどを駐車中に回しておけば、キャンピングカーに帰った時の『ムッ』とくる暑さをより緩和できるということがメリットのひとつ。
さらにバンコンやバスコンと違い、エントランスの位置を自由に設定できるため、車内レイアウトの自由度が高い点も見逃せないメリット。
極端な例としては、セカンドシートから後ろを巨大なフリールームにして、最後部に観音開きの扉を取り付け、趣味の道具を満載できるキャブコンキャンピングカーもアリかと思うところ。
バンクベッドのあるタイプのキャブコンであれば、運転席・助手席上のデッドスペースを就寝スペースにすることができるため、5×2サイズのキャンピングカーでも就寝定員を稼ぐことが可能。
5×2サイズのキャンピングカーの中でも代表的なバンテックのジルに10年以上乗っていて思うことは、バンクベッドのスペースがあると無いのとではキャンピングカーの使い勝手が全然違うということ。
バンクベッドは寝るだけのスペースではなく、移動中は寝具や着替えなどを置くスペースになったり、ある程度奥行きのあるスペースのため、ペット用のケージを置いておくことも可能。
バンコンやバスコンと違い四隅を四角く造ることができるため、スペース効率がいいのも特徴。天井に向かって壁面が絞り込まれていないため、壁際に立った時でも圧迫感を感じることはありません。
最近はバンクベッドを持たないスタイリッシュなキャブコンや、ハイエースのボディーをカットしたもの、さらには大胆にもマイクロバスをカットしたタイプもあり、キャンピングカーとしてのキャブコンの選択肢が広がっています。
トイレやシャワーの設備がまともに使えるのもキャブコンクラスから。バンコンを入門用と考えた時、キャブコンは次のステップアップとしては最適な選択かもしれません。
その昔、4トントラックにキャンピングシェルを載せてキャブコンに仕上げてきたキャンピングカービルダーがいます。
秋田にあるファーストカスタムというキャンピングカービルダーで、内装はホテルのようでした。
ちなみにお値段は2,800万円と、ちょっとした家が買えるような価格で、誰にでも買えるキャンピングカーではありませんが、そのような超高級キャブコンも日本国内にはあります。
ただ残念なことに、そのファーストカスタムも経営の悪化により2014年11月4日に自己破産を申請し、倒産してしまいました。
良いキャンピングカーを造っていたキャンピングカービルダーだけに惜しまれるところです。
以上、バンコンにはないキャブコンタイプのキャンピングカーのメリットを挙げてみました。
次はキャブコンタイプのキャンピングカーのデメリットも取り上げてみようかと思いますが、どんなデメリットがあるのでしょうか。いろいろと考えてみようと思います。