世界RV会議において日本のキャンピングカーはどう見られているのか

日本国内でもキャンピングカーの需要は高まっていますが、その傾向は世界的に見ても同じようで、それを受けて3年前から「世界RV会議」が行われるようになりました。

これは主にキャンピングカー生産メーカーがある国の業界団体の代表などが集まって、キャンピングカーを産業として育成し、キャンピングカーの使い方を提示してユーザーを増やしていくことが目的となっています。

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アメリカ、カナダ、オーストラリアなど、キャンピングカーがすでに普及している広大な国土の国を筆頭として、欧州からは数カ国、アジアからは日本と中国も参加しています。日本の代表は、キャンピングカーメーカーや販売業者などで構成される日本RV協会が参加しています。

一般自動車の性能が世界的に高く評価されている日本らしく、会議では日本の低燃費キャンピングカーや、いわゆる「軽キャンパー」といういかにも日本人が作りそうな小型キャンピングカーに注目が集まりました。

と同時に、キャンピングカー新興国である日本は、既に普及から久しく、ユーザーが高齢化している欧米とくらべて若年層のオーナーが多いということで、将来的な産業発展の余地が大きい点が評価されています。「高齢化による後継者不足」というのは、どうも少子化日本の産業だけにとどまらないようです。

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そのほかには、RVパークのような、キャンピングカーを使うためのインフラ整備が進んでいることも諸外国の眼を引きました。

その日本以上に注目されたのが中国です。日本では中国人観光客による「爆買い」が良くも悪くも話題ですが、そういうことをするのは成金の中流層レベル。本当の富裕層は旅行に行くにしてもアメリカや欧州で、中国国内では高級外車を何台も所有したり、自家用ジェットまで持っていたりします。

そのレベルの富裕層に、キャンピングカーオーナーも増えているということで、中国のメーカーだけではなく、その巨大市場を狙って欧米のメーカーも進出しています。

しかし、「巨大市場を狙って」というのはだいぶ前に聞いたフレーズですね。「数億人の顧客」という幻想を求め、キャンピングカーではなく一般自家用車のメーカーや家電メーカー、その他業種もこぞって中国に進出したという過去がありますが、実際のところうまくいったのはごく一部。多くは事業をパクられたり、最悪の場合乗っ取られたりしています。

次の世界RV会議の開催地は中国になったそうですが、目先の利益にとらわれずに、もう少し中国という国を勉強して本当にキャンピングカーの普及に適しているのかどうかを判断してから進出したほうがよいのではないかと思います。

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日本や中国でキャンピングカーが普及段階にあるのと正反対に、欧米ではキャンピングカー産業が成熟しつつあるようです。キャンピングカーメーカーの統廃合が進み、日本の自動車産業に倣ったような合理化が行われた結果、生産量、収益ともに上がっているのだとか。

ただ、オーナーが高齢化しているとのことなので、欧米の場合これからの課題はいかに若い世代に普及していくことかということではないかと思います。

とはいえ、その点は欧米とひとくくりにしてうまくいくはずはありません。特に欧州はフランスがテロの標的にされたり、その他各国もシリア難民受け入れ問題でキャンピングカーどころではないという状況だとも言えます。

レジャーヴィークルとしてではなく、そうした難民の人たちを収容する施設としてキャンピングカーやトレーラーハウスを利用するという方向性は、あるいはありなのかもしれませんが。

安全確保が難しい国でキャンピングカーを普及させるのは難しい気がします。

アメリカ、カナダ、オーストラリアなどは、過激派組織によるテロが起きる可能性としては欧州より低いでしょうし、何より国が広く、アウトドアライフへの関心も高いはず。それらの国に、日本の高い技術で作ったキャンピングカーを普及させれば、これは日本国内のみをターゲットにしているよりも遥かに大きな産業規模に育つことができるかもしれません。

また逆に、治安がよくインフラ整備も進んでいる日本でのキャンピングカーの旅を外国人客にアピールするというのもいいのではないでしょうか。現にオーストラリアではレンタルキャンピングカーで旅をする中国人富豪が増えているとのこと。

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日本の業界団体におかれては、日本国内、日本人のみをターゲットにするのではなく、より広い視点でキャンピングカー普及という問題を考えてほしいものです。世界的な会議に参加するというのは、そういう視野を広くするという意味もあるはずです。

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