サブバッテリーの充電をソーラーだけに頼るのは難しい!?
キャンピングカーは車内で生活できる道具です。しかし、車内で生活するためには車内灯のレベルでは無理ですら蛍光灯かLEDライトが必要だし、冷蔵庫もついているし、電子レンジも使うし、最近ではIHヒーター搭載のキャンピングカーもあります。また、エアコンだって必需品。
中国語ではキャンプは「露営」というそう。つまり軍隊かなにかの一時的な野外宿泊という感覚なのかもしれません。まだまだレジャーとしてのキャンプは広まってはいないのでしょう。
「露営」感覚でキャンプするならある程度のことは我慢しましょうというのも酷なもの。トレッキングのような自力移動でのキャンプならともかく、オートキャンプならどうしたって電力は必要になるのです。
しかし、キャンプ地でエンジンをつけっぱなしにするわけにはいきませんから、電力供給元をメインバッテリーにしたらたちまち上がってしまいます。そこで、キャンピングカーに必須となる設備が「サブバッテリー」。
サブバッテリーはピンキリでいろいろありますが、容量とともに重要なのは充電方法。出かける前に自宅のコンセントから充電していったとしても、当然使っていれば出先で減った分を充電しなければならなくなります。
オートキャンプ場の中には、キャンプサイトに電源を提供しているところがあるので、そういうところなら充電の心配はなくなります。でも、そういうところばかりではないですからね。
今まで主流だったのは、メインバッテリーとサブバッテリーの間に「走行充電器」という機械をかませ、走行中にメインバッテリーの余った電力をサブバッテリーに流し込むという方式でした。この方式だと無駄がないようですが、効率が悪いという欠点もありました。
そこで最近増えてきているのが、ソーラーパネルから充電する方式のサブバッテリー。最新のキャンピングカーには、屋根にソーラーパネルが組み込まれたものもあります。
搭載されていない車でも、ルーフキャリアのようなノリで屋根の上に取り付けるタイプのものを設置することができます。ソーラーパネルはルーフキャリアほど高さを取りませんので、車高もそれほど大きく変わりません。
ただ、ソーラーパネルを載せると当然屋根がふさがりますから、サンルーフやルーフボックスなどがついている車では使えないか、もしくはそれらを犠牲にする必要があります。
といっても、問題になるのは小型のキャンピングカーなので、それほど気にすることはありません。というのも、ソーラーパネルは、面積が広いほど発電量も多くなるので、搭載するなら大きめのキャンピングカーが有効だからです。
今のところ、軽キャンパーのような小型のキャンピングカーに搭載できる広さのソーラーパネルでは、十分な発電量は確保できないようです。ですから、軽キャンパーにソーラーパネルを載せるのはあまり意味はないようです。
軽キャンパーを販売しているメーカーの中には、オプションでソーラーパネル設置を用意している業者もあります。しかし、そのオプションが本当に必要な発電量を確保できるかは疑問。
気をつけなければならないのは、サブバッテリーは12Vなので、家庭用100V用ソーラーパネルは使えないということです。
ソーラーパネルは当然、晴れている時でなければ発電できません。ゆえに、充電したいというタイミングで都合よく充電できるとは限らないし、梅雨の時期とか冬場には役に立ちません。
そうしたことを考え合わせると、サブバッテリーはソーラーパネル充電と走行充電2方式のものを持っていたほうが、お互いの欠点を補い合えるので、それが一番現実的と言えるかもしれません。