キャブコンとバンコン、どっちを選んだほうがいい?
サイズによっていくつかの種類があるキャンピングカーの中でも、国内で人気があるのが、ワンボックスカーをベースにした「バンコン」です。
しかし、少しずつその人気に追いついてきているのがトラックベースの「キャブコン」。そこで、今回はこのバンコンとキャブコンの比較をしてみようと思います。
運転のしやすさ
キャンピングカーでも、普通の乗用車と同様運転のしやすさは重要です。
バンコンに使われるベース車はだいたい排気量2,000ccから3,000ccのワンボックスカー。キャブコンのベース車もそれと同程度の排気量の1トンから2トンのトラックです。
しかし、排気量が同程度でも大きさが違います。特に、キャブコンの場合運転席の上に「バンクヘッド」と呼ばれる出っ張りがついていて、車高が高いものが多いです。
バンコンの場合、普通のワンボックスカーと変わりませんから、あまり違和感なく運転できるでしょう。しかし、キャブコンの場合慣れるまでちょっと時間がかかるかもしれません。
また、狭い路地や未舗装の林道の場合、車体の大きいキャブコンは立ち往生してしまう可能性もあります。
こと運転のしやすさという点で言えばバンコンに軍配が上がります。
居住性
キャンピングカーはやはり居住性にこだわりたいところ。バンコンもレイアウトに工夫をしてかなり広々とした内装のものもあります。
ただ、バンコンの場合多くのものはベッドは組み立て式。寝るときにはテーブルや持ち込んだ荷物などを片付け、ベッドを広げるスペースを作らなければならないので面倒。
一方、キャブコンについている「バンクヘッド」はベッドとして使われることが多く、リビングスペースを片付けなくても眠れます。
つまり、バンコンが1kならキャブコンはリビングと寝室が分けられる2kということになりますね。
そして車内の高さです。バンコンの場合は既成品の内装を変えてあるだけなので、内部の高さは変わりません。成人男性なら腰をかがめなければ立てません。
それに対しキャブコンは後から車内が高い居住ユニットを付けるため、天井が高く圧迫感がありません。
また、多くのワンボックスカーは屋根が楕円になっています。ということは、そのカーブの部分だけスペースが削られているということになります。ここに収納やエアコンなどをつけるとさらに天井が狭くなります。
キャブコンは四角いユニットを乗せるため、湾曲によりスペースが削られることはなく、その分広くなります。
居住性で見ると、圧倒的にキャブコンのほうが上でしょう。
車内レイアウト
キャンピングカーにはいろいろな設備が搭載されます。例えば水道設備やキッチン設備、エアコン、収納など。
バンコンのベース車はほとんどがハイエースワゴンやバンなど車内に余計なものがない車が選ばれます。しかし、それでもスペースには限りがあるので、何をどこに置くのかというレイアウトのバリエーションも制限があります。
キャブコンの場合はそうしたレイアウトの自由度も高いです。
また、乗せられる設備にも差がでてきます。バンコンの場合、トイレやシャワールームなどを設置すると、その分車内が圧迫されます。広さをとるならトイレなどの設備は捨てなければなりません。
しかし、キャブコンならトイレやシャワールームを設置しても、それほど圧迫されることはありません。
バンコンは、多くの場合ソファと折りたたみベッドが兼用されるので、ベッドを組み立てるときのことを考えて配置せねばなりませんが、ベッドルームを他に取れるキャブコンでは、椅子の配置における制限はゆるくなります。
乗りやすさを考えるならバンコン、過ごしやすさを考えるならキャブコンということになると思いますが、徐々にキャブコン人気が高くなっているのは、やはり過ごしやすさを選ぶ人が増えているということなのでしょう。