中古キャンピングカーを買うためのポイント
日本はこれまでキャンピングカー後進国でした。そもそも日本のような狭い国では、旅をするのにキャンピングカーなどなくても問題なかったのですね。日本がキャンピングカー後進国というのは、交通インフラ先進国という意味でもあります。
しかし、ここ数年で事情は変わってきています。自由度が高く、気ままな旅ができるツールとして、日本ならではのキャンピングカーの楽しみ方をする人が増え、キャンピングカー市場もだんだん成熟してきているのです。
そして、入門編として買ったキャンピングカーが使ううちに合わなくなり、下取りに出してもっと自分に合った新車を購入するというオーナーも出てきています。
これはつまり、キャンピングカーの中古市場も形成されつつあるということ。
キャンピングカーは欲しいけれど、新車は高くてちょっとという人も、中古車を探せば予算におさまりつつも満足できる車が手に入るかもしれません。
「キャンピングカー」とは
先日キャンピングカーについて書いてある記事でびっくりするものがありました。
「キャンピングカーとして登録するためには、8ナンバーをとらなくてはならない」というのです。
8ナンバー車というのは「特種用途自動車」のこと。消防車やレントゲン車など特殊な設備を搭載する自動車。こうした車が8ナンバー登録していないと、違法改造車として摘発されます。
特種用途自動車の中には「キャンピング車」というものがあります。これは、固定できる寝台や、キッチン設備、給水・排水設備などの必要要件を満たした「キャンピングカー」を登録するときの区分です。
このへん、きちんと調べないで書いているライターがいるので要注意ですが、法律区分上の「キャンピング車」と、商品としての「キャンピングカー」は違います。
折りたたみベッドや収納、給水設備、シンク、キッチンなど、その車だけである程度のキャンプができる自動車が「キャンピングカー」として売られています。
しかし、必要要件を満たさず8ナンバー登録ではない「キャンピングカー」もあります。これらは法律区分上は普通自動車となります。
もちろん、8ナンバーの「キャンピング車」に登録する要件を満たしていない車を「キャンピングカー」として売ることも使うことも違法ではありません。キャンピングカーを買うのではれば、この点を一応頭の片隅にでも置いておいてください。
中古キャンピングカーを買うための業者選び
中古のキャンピングカーは、「キャンピングカーも扱っている中古車業者」と、「キャンピングカー専門の販売業者」どちらかで買うことができますが、買うのであれば絶対に「キャンピングカー専門の販売業者」を選ぶべき。
というのも、キャンピングカーには自動車としての機能以外に、冷蔵庫やエアコン(車載ではない後付のもの)、テレビなどの家電や、給排水設備、IHヒーター、ものによってはトイレやシャワー、あるいはソーラーパネルなど様々な設備があり、一般の中古車販売業者では、これらの設備まできちんとしたメンテナンスができていない場合があるからです。
ゆえに、買うのであればキャンピングカーに精通している業者が必須。キャンピングカービルダーが制作した新車を販売していて、中古車も扱っているところがありますので、一番安心なのはこうした業者です。
キャンピングカーの選び方:サイズ
さて、いざ中古キャンピングカーを買うという段になって決めるべきなのは、まず車のサイズです。
現在中古キャンピングカー市場に多く出回っているのは「軽キャンパー」と「バンコン」。
軽キャンパーは商用軽ワゴンをキャンピングカーにしたもので、コンパクトで小回りがきき、値段が安めなのが利点。
ただし、軽自動車として登録するためのサイズにおさめているので、どうしても車内が狭くなるのが難点で、長距離を走り通すのもちょっと厳しいものがあります。これは、一人で使うことを前提としている人にはお勧めです。
バンコンは、商用バン(荷室があるワンボックスカー)にキャンピングカーとしての設備を付けたもの。ステップワゴンのような乗用車を改装したものもあります。
バンコンも、既存の車に内装を加えただけのキャンピングカーなので、車高や設置できる設備に制限はあるものの、軽キャンパーよりもずっと広いので、4人までぐらいなら複数名でも快適に使えます。
軽キャンパーとバンコンが中古キャンピングカー市場に多いのは、それだけ人気の車種だからであり、また、ヘビーユーザーになってくると不満がでてくる車種だからでもあります。
これからキャンピングカーに入門ということであれば、軽キャンパーやバンコンがお勧め。ただしこれは絶対ということではなく、もっと大きいサイズの中古キャンピングカーだって購入することはできますよ。
キャンピングカーの選び方:設備と内装
実際業者に車を見に行ったときに注意すべきところは、もちろん走行距離やタイヤ、車体の損傷など普通の中古車選びと同じ部分も重要です。しかし、もっと重要なのは中身をきちんと確認するということ。
ここをしっかり見ておかないと、使い始めた途端不満が出るということにもなりかねません。
まずベッド。軽キャンパーやバンコンはだいたい折りたたみベッドなので、まずきちんと広げられるか、寝た時にギシギシ言わないか。逆に折りたたみはスムーズにできるかなどを見ます。
冷蔵庫やエアコンなどがついていたら、それらがちゃんと通電しているか、十分な性能を発揮できているかもチェック。キャンピングカーには、通常「サブバッテリー」というエンジンを切っているときの電力供給元もついているので、そこもちゃんと充電できるか、どういう充電方式か確認します。
給水タンクの中が汚れていないか。水の補充がし易いか。排水タンクから排水を捨てやすいかなども見ましょう。
どれだけの荷物が収納できるかも大切。特に、キャンプ先に何か遊び道具やバーベキューグリルなどを持って行きたいという明確な目的があるなら、そういう道具がちゃんと収まるか、載せたりおろしたりがしやすいかなどもチェックポイント。
今、中古キャンピングカーは狙い目ですが、失敗しないためにはいろいろな事前情報集めも必要です。