キャンピングカーでデニムの移動販売をする人がいた
日本という国は「チャレンジ」を許されない国です。もちろん、チャレンジした人が賞賛されることはあります。それは、チャレンジして成功した時です。
つまり、チャレンジしたことではなく、成功したという結果のみに賞賛が与えられ、仮に失敗していたら「無謀なことをした」という目で見られます。
しかし、実際にはチャレンジせざるを得ない時というのもあるものです。例えば、長年勤めていた会社が潰れた時など。特に専門分野で長いこと働いていた人が職を失った時などは、生きていくためにもチャレンジが必要です。
ある人はまったく違う職種に、またある人は海外にチャレンジの場を求めます。
神奈川県の平塚を中心に、ジーンズの移動販売・補修を行っている「デニムマン」を運営している新倉健一郎さんもまた、そんなチャレンジャーの一人。
新倉さんは30年近くジーンズショップに勤務したジーンズの専門家。しかし、そのショップが閉店することになり、新倉さんは職を失います。なかなか新しい仕事が見つからない中、新倉さんが思いついたのが、自分の知識と技術を活かしたジーンズの移動販売でした。
賃貸の店舗を借りるとなると、さまざまなリスクがあります。しかし、車で移動販売するなら、店舗を開くよりリスクは軽減できます。そこで新倉さんが選んだのが「キャブコン」と呼ばれるキャンピングカーでした。
キャブコンとは、トラックのキャブ、つまり運転席のみを残して荷台が付く部分に居住スペースを架装したキャンピングカーのこと。およそ4畳分という内部はショップ兼作業場。新倉さんはこのキャンピングカーを「キャブショップ」と呼んでいます。
新倉さんが取り扱っているのは、倉敷のジャパンブルージーンズと、女性向けジンズブランドのスウィートキャメル、ミセスジーナ、カフェッティなど。女性にも気軽にジーンズを楽しんでほしいというコンセプトが伝わってきます。
新倉さんのこのチャレンジ、どうかうまくいってほしいものです。