RVビッグフット『ACSエテルノオクタービアMパネル仕様』を検証
RVビッグフットというキャンピングカービルダーが製造する、『ACSエテルノオクタービアMパネル仕様』という、日野リエッセをベース車両にしたバスコンを検証してみようかと。
まずこのバスコン、私が良いなと思うポイントとして、『国内自社生産』というとろが挙げられます。
最近のキャンピングカービルダーの中には、中国やその他の国でキャンピングシェル部分や家具を組み立てている会社も多く、品質が保たれているところとそうではないところがあることも事実。
もちろん日本から製造立ち上げ時には指導する方が現地に行って品質面などの指導をするとは思いますが、それでも純国産のキャンピングカーに比べれば品質にバラつきが出ることも否めません。
世界的に見ればアップルのiPhoneをはじめとする携帯電話なども中国で製造している訳ですから、技術指導さえしっかりすればきちんとした製品が造れるとは思うのですが、やはりここはキャンピングカーとiPhoneとのマーケット規模の違いと言わざるを得ませんね。
ちなみにグーグルで『iPhone』と検索した時と、『キャンピングカー』と検索した時の結果数はこんな感じ・・・。
iPhone・・・・・・・・約 1,640,000,000 件 (0.29 秒)
キャンピングカー・・・約 1,680,000 件 (0.22 秒)
16億4,000万件と168万件と、iPhoneの方が約1,000倍キャンピングカーより多くの結果が返ってきます。
これが市場規模の違いというものでしょうか。両者には圧倒的な差があることが分かる結果ではないでしょうか。
話がかなり逸れてしまいましたが、「やはりキャンピングカーってマイナーな存在だなぁ」と思うところ。
そんなマイナーなキャンピングカーではありますが、このRVビッグフット製の『ACSエテルノオクタービアMパネル仕様』は国産で頑張っていると言いたかっただけです。
さて、このバスコン、内装のコンセプトはズバリ『白』。白を基調とした家具とファブリックで清潔感抜群の内装になっています。
「白は汚れが目立つからアウトドアに使う車にはふさわしくないんじゃないか」という意見もあるかもしれませんが、私はこの白い内装のキャンピングカーも悪くはないと思っています。
なぜなら汚れるのが嫌であれば汚れないように丁寧に使えばいいだけ。ただ、子供はそういう訳にはいきませんから、小さな子供のいない定年リタイヤ組など、使う方は限られるかもしれません。
「汚れるのはある程度仕方がない、でもこの白い家具やファブリックの雰囲気が好き!」という方であれば、家族で使うのもいいかもしれません。
間接照明も青白いタイプの照明機器が採用されていて、省電力化もさることながら、車内の白い雰囲気を壊さないような演出は秀逸だと感じます。
この『ACSエテルノオクタービアMパネル仕様』の内装レイアウトは、エントランスドアを入ったところに横向きソファーを中心としたダイネット、その後ろにトイレルームとクローゼット、最後部にベッドルームという、バスコンではよく使われているレイアウト。
セカンドシートは助手席の後ろに単座があり、入り口正面のソファーと向かい合う形になっています。この単座は前向きにもできるため、走行中に快適に着座できるシートは運転席・助手席とこの単座の3名分といったところでしょうか。
乗車定員6名、就寝定員4名となってはいますが、基本的には2人旅で贅沢に使うのがこの『ACSエテルノオクタービアMパネル仕様』の正しい使い方かもしれません。
車両サイズは、全長6,250mm×全幅2,020mm×全高2,720mmとマイクロバスのサイズそのもので、ベース車両の正式なモデル名は『日野リエッセ2 パネルLXショート』という名称。
排気量4,009ccの150馬力の6速ATというスペックは、高速道路でも快適に走行できると思います。本来であれば20名以上の人を快適に運ぶための車のため、これを数名で使うというはかなりの贅沢。
価格は標準仕様で935万円(税抜)という価格で、最近のキャブコンより200~300万円高い価格設定。ベース車両の価格が高額なため仕方のないところではありますが、マイクロバスのボディーをカットしている訳ではないため、長く使えるバスコンだと思います。
それでもマイクロバスを普通免許で運転出来るのは魅力的。私もマイクロバスを運転したいと常々思っているため、予算さえ許せば(これが一番難しい)バスコンを所有してみたいと思っています。
『ACSエテルノオクタービアMパネル仕様』の主な装備品は次の通り。
室内断熱・防音処理、クッションフロア、L字ソファー、テーブル、マルチルーム、クローゼット、キャプテンシート、常設ベッド・ギャレー、電子レンジ、シンク・水中ポンプ、給水・排水タンク各20L、外部入力コンセント×2、100Vコンセント、12Vコンセント、走行充電システム、カーテン、ルーフベント、ルーフレール、バックカメラ、24V充電ソーラーパネル145W×3枚、ソーラーパネルコントローラー、正弦波インバーター1500W、サブバッテリー105A×4、24V自動充電器15A、IH調理器・130リットル冷蔵庫・LED照明
サブバッテリーを4本も積んでいる辺りが、太陽光パネルによる発電された電気を目一杯有効活用しようという考え方として現れているところ。
オプションで家庭用エアコンの設定もあることから、4本のサブバッテリーを使って静かに車内を冷やすことが可能になる仕様ということでしょうか。サブバッテリーの電気を使い切った後はソーラーパネルで補充電をするということか。
それでも追い付かない場合は外部充電もしくは発電機による充電も視野に入れなければなりませんが、サブバッテリー4本を満充電するのは大変かもしれません。
内装・外装共に白いキャンピングカーは好みが分かれるところではありますが、清潔感のあるバスコンキャンピングカーを求めている方にとっては魅力的なキャンピングカーではないでしょうか。