軽キャンピングカー『愛犬くん』(オートワン)はどの辺りが愛犬くん仕様なのかを詳しく確認してみました
軽キャンパー専門のAUTO ONE(オートワン)がキャンピングカーショーに持ってきている車両を詳しく検証してみます。
軽キャンピングカーも各社様々な仕様の車両を開発・製造していて、見ているだけでも楽しいもの。その中でも愛犬と一緒に軽キャンピングカーで快適に旅をするためのキャンピングカー、その名も『愛犬くん』というかわいらしいネーミングの軽キャンピングカー。
ベース車両はスズキのエブリィJOINターボで、キャンピングカーらしく展示車両は4WDを選択。車両サイズは全長3,390mmX全幅1,470X全高1,940mmと、当然のように軽自動車枠のサイズに収まっています。乗車定員は4名、就寝定員は2名、ペット2~3頭とあります。
スライドドアは両開きのタイプで、どちらからでも荷物の出し入れができ、これは軽キャンピングカーでなくても、ハイエースのバンコンなどでも重宝する装備のひとつ。そのスライドドアから室内を見てみると、やや色の濃い木製キャビネットが壁面に取り付けられていて、その部分にシャワーヘッドやペットボトルの収納棚などが見えます。
上部の小物入れなどは室内空間の制限からあまり大きなサイズのものは取り付けられないため、やや奥行きが物足りないような感じもしますが、軽キャンピングカーで快適に旅をしようと思えば、荷物を厳選し、余計なものを車内に持ち込まないことも大切な要素。
手前に見えるセカンドシートもかなりしっかりしたものが使われていて、キャブコンのサードシートのように垂直の座面などではなく、きちんとリクライニングする上、シートベルトも標準装備品が使えるようになっています。これならば、普段軽キャンピングカーとして使わない時でも、普通の軽自動車として使えるはずです。
助手席部分を見てみると、助手席を折り畳んだ上にペット(犬)用のケージを置くようになっていて、ストッパーも効くようになっているようです。このように愛犬と二人(?)で出掛ける人が今後は増えてくると思われ、私が勝手に想像するには、奥さんも子供もついてこなくなった定年間際か、定年後のお父さんが愛犬とショートトリップに出るのに最適な仕様かと・・・。
軽キャンピングカーであれば、大型のキャンピングカーのように場所も取らない上に維持費も安いため、何かと肩身の狭いお父さんでも奥様の許可が出やすいかも・・・。
などとつまらないことを書いてしまいましたが、男は常に一人の場所や空間が欲しいもので、キャンピングカーに憧れるのは男性が多いと聞きますし、実際に所有しているのも男性の方が多いと思います。そういった意味では、軽キャンピングカーは『男の小さな城』として、安らぎの場を与えてくれる存在かもしれません。
そして、そんな時に一緒にいてくれるのが、愛犬で、この軽キャンピングカー、なかなか男心をくすぐる車両だとおもうところです。あ、ペット好きの女性でも全然構わないと思いますが、私が男のため、そう思った次第。
そんなことを思いながら、後部に回りこむと、キャビネット自体は本当にミニマムな存在に留めており、棚の部分にはこれまた犬用のケージが置かれ、愛犬がそこに入っている様子が見えます。さすが、ペット2~3頭と一緒に旅ができる軽キャンピングカーと謳うだけあって、この辺りのアピールはなかなかのものです。
さらによく見てみると、最後部のベッドマット下から、何やらステンレス製の引き出しが引き出されている様子が伺えます。「なんだ?」と思って見てみると、『専用の洗い場を確保』とあり、ここで愛犬と旅先で散歩などをした後に、愛犬の足を洗うことができるいわゆる『洗い場』のようです。
なるほど、と思いました。確かに散歩をした後に愛犬の足を濡れタオルなどで拭いてから家の中に入れているご家庭もあることから、軽キャンピングカーに帰ってきた時も、このような場所が確保されていれば、愛犬の足を洗ってキレイにしてから、軽キャンピングカーに乗せることができると思います。
この辺りの仕様が『愛犬くん』の最大の特徴でもあるかもしれません。ただ、真冬などは水が冷たくて愛犬も寒いでしょうから、この場所にお湯を入れて愛犬用の足湯にしても面白いかもと思ってしまいました。しかし、愛犬が足湯に浸かっている間、人間様はその横で寒さに震えながら待っていなければなりませんが・・・。
やはり、暖かい季節限定の装備品なのかもしれません。それでも、このようなユニークなアイデアを具現化してくるあたり、軽キャンパー専門店の意地と情熱を感じるところです。
この『愛犬くん』の標準装備品は、エアコン(シングル)、サブバッテリー(55A)、30Wソーラーパネル、サイド出窓(左右)、外部電源(100V)、ルーフベンチレーター(吸排気)、専用洗い場(足湯の場所?)調理器具(カセットコンロ)、断熱処理(屋根)、ベッドマット、収納庫(キャビネット)となっていて、さすがに今流行のソーラーパネルを取り入れるあたり、軽キャンピングカーといえども装備品に抜かりはないと感じるところ。
あと、サブバッテリーを積んでいるキャンピングカーには必須の『走行充電システム』が無いな?と、思っていましたが、ホームページを確認すると、きちんと標準装備されていると載っていました。今や当たり前過ぎてこのようなパネルには記載しないのかな?まぁ、そんなことはどっちでもいいけど・・・。
価格は、標準装備の4WD車であれば、188万円ちょい+消費税という価格。消費税が8%になっちゃった2014年だと、消費税を入れると軽キャンピングカーと言えども、200万円を超えてしまう価格が辛いところですが、ハイエースのバンコンが400万円前後だということを考えれば、まだまだ安いと思うところ。
軽キャンピングカーの最大の魅力は取り回しの良さと価格の安さですが、その点ではオートワン(株式会社クルーズカンパニー)の軽キャンピングカー『愛犬くん』は合格点だと思います。あと、4WDをチョイスして展示会場に持ってくるあたりもポイント高いかな・・・。