中古キャンピングカー 『バンテック/ベガ』 2002年式 2WD/AT 走行7.9万km を検証
ベガという10数年前にバンテック社のフラッグシップキャンピングカーでもあったキャンピングカーが中古キャンピングカーとして入庫しています。
この姿を見た瞬間、「あ~、懐かしい姿だよな~、今乗っているジルも同じスタイルだけど、あの時代はこのスタイルがとてもカッコよかったんだよなぁ~」と感慨深い私。
三菱キャンターの救急車用車輌がベース車輌となり、2t車のダブルタイヤ仕様にも関わらず、乗り心地を追求していたキャブコンだと聞いていました。
当時のカタログには、
・フロント独立懸架サスペンション
『乗り心地の向上と同時に、直進安定性、高速走行時の操舵性、ロール安定性に抜群の効果を発揮するコイルスプリング・板バネ併用独立懸架式フロントサスペンションを採用』
・専用設計リアサスペンション
・低騒音型バス用デファレンシャル
・ギア比を高速型に変更
・リアワイドトレッド
・24V-80Aオルタネーター
・大型ATFクーラー
・メインバッテリー115E41R×2
・フロントカラードバンパー
・カラードフロントフェンダー
・MITSUBISHIエンブレム
・助手席電動格納式ミラー
など、やはり乗り心地や静穏性に配慮をした救急車用シャーシーが採用されているという記述がされています。
全5,670mm×全幅×2,110mm×全高3,000mmの車輌サイズは今のキャブコンの中でも大型の部類。その大きさから、乗車定員8人、就寝人員6~7人というキャパシティーを持ち、家族4人のキャンプ旅であればかなり余裕がある車内空間となっていました。
ダイネット部分の広さにも余裕があり、6人がゆったりと座ってくつろげる空何となっています。
バンクベッドもバンテックの御家芸である引き出し式のタイプで、私のキャンピングカージルにも採用されていますが、開口部も大きく、天井の高さこそ低いものの、大人3人が就寝できるスペースになっています。このベガという中古キャンピングカー、センターエントランスとなっていて、前方にダイネット、後方に常設ベッドがあり、その間にシンクとトイレ・シャワールームがある、バスコンなどでよく使われている室内レイアウトを採用。
主な装備品として、サイドオーニング(3.5m)、ベンチレーター、(MAXXFAN)、アクリル2重窓、リアクーラー、リアヒーター、FFヒーター(LP)、ルーフエアコン、走行充電システム、サブバッテリー(ダブル)、外部AC入力、外部充電器、インバーター(1,500W)、冷蔵庫(3WAY 89L)、コンロ(2口)、電子レンジ、給水タンク(清水19L+150L)、排水タンク(90L)、温水ボイラー、シャワー設備(温水可)、外部シャワー、トイレ(カセット)、LPボンベ(5kg)というような充実の装備。
フル装備の中古キャンピングカーのため、これ以上の装備品は必要ないと思われますが、この装備品をこうすればいいというポイントを少し。
FFヒーター(LP)をベバストの軽油ヒーターへ変更。昨今のLPガスの充填拒否問題を受け、どこでも給油できる上、ベース車両の燃料と共用できるFFヒーターへの換装は旅先での手間を軽減してくれます。
ルーフエアコンはちょっと時代遅れのため、家庭用エアコンを装備したいところ。予算が許せば発電機+家庭用エアコンを装備できれば、広い空間を真夏でも快適に使うことができるはず。
トイレはカセットトイレが装備されているため、このままでもいいですが、衛生や中古のトイレが気になる方は、汚物タンクと便座を交換するだけでも気分が違うはず。
後は、給水タンクが(清水19L+150L)の169Lなのに対し、排水タンクが(90L)の容量しかないことから、シャワーとシンクでフルに水を使ってしまうと排水タンクから水が溢れてしまう恐れがあること。
これは2014年現在のバンテックのフラッグシップキャンピングカーでもある、ジル520クルーズにおいても同様で、清水タンク20L+生活用水タンク 67Lの合計87Lに対し、排水タンクは70Lと、やはり排水タンクの容量が足りず、バンテックの悪しき伝統なのかもしれません。キャンピングカー自体は非常に良いものを造っているだけに、惜しい気もします。
この中古キャンピングカー『ベガ』は2002年式と、2014年現在で12年落ち(私のキャンピングカージルより新しい・・・)走行距離は79,512km。2WD/ATで排気量は5,240ccのディーゼル。排気量が大きいため、エンジンが冷えている時の騒音や、燃費(おそらく1リッター5kmも走ればいい方かと・・・)の問題もありますが、これだけの大きさの中古キャンピングカーベガが319万円(税込)となれば、魅力を感じない訳にはいきません。
ちなみに、この中古キャンピングカーベガの新車価格は、2WDが728万円(おそらく税抜)4WDが798万円(おそらく税抜)と、現在の高級キャブコンと遜色ない価格。
それが半額以下の319万円とあれば、キャブコン入門用としても十分魅力的。2t車がベース車両になっているため、運転席・助手席周りのゆとりも相当なもので、今のカムロードよりも断然開放感があります。
カムロードのシングルタイヤ仕様に不安を感じている方や、高速道路での動力性能に不満がある方にも、リアダブルタイヤで、5L超の排気量によるパワー(140PS)というのは非常に魅力があると思います。
同等のエンジンを積んだ2t車ベースのフル装備新車キャンピングカーが1,000万円近い価格であることを考えれば、この中古キャンピングカー『ベガ』の319万円は格安だと私は思います。
昔は高くて手に入れることができなかったキャンピングカーも、中古キャンピングカーになればかなりリーズナブルに手に入れることができるため、良い中古キャンピングカーを手に入れたければ、このように販売店の中古キャンピングカー情報をマメにチェックするしかありません。