中古キャンピングカー『バンテック ジル520』 2013年式 2WD/AT 走行0.2万km を検証
バンテックのジル520が中古キャンピングカーとして入庫しています。今や二段ベッド装備車の代表格とも言えるようになった、バンテックのジル520。
中古キャンピングカーを探している人の中でも、このジル520を探している人も多いとか・・・。
車両サイズは520というだけあって、全長5,190mm×全幅2,110mm×全高2,940mmという、5×2サイズのキャブコンより多少サイズが大きくなっています。
ただ、全長が190mm長いだけのため、5×2サイズのキャブコンとそれ程取り回しに差が出るとは思いません。むしろその190mmの差が車内空間にもたらすゆとりは相当なものがあり、やはり多少全長が長くても納得がいく範囲。
逆にこれ以上全長が伸びる(5.5~5.6m)と、途端にコンビニやスーパーの駐車場に駐車するのが困難になるため、ギリギリの絶妙なサイズだと私は思っています。
新型カムロードの3,000ccディーゼルターボエンジンは144馬力と、これまでのカムロードの中でも最高馬力で、トルクも30.6kg-mと低速トルクの太いディーゼルエンジンは、やはり重量のあるキャンピングカーには最適だと思うところ。
ここまでの馬力やトルクがあれば、普段の走行においては不満はないでしょう。あるとすればトラックがベース車両ゆえの乗り心地の悪さが挙げられます。
しかしこの中古キャンピングカージル520は前オーナーが足回りの強化も行なっているようで、フロント・リヤ強化スタビライザー、フロント・リヤ強化ショック(Vサスペンション)と、走行安定性と乗り心地が向上する装備品が追加されています。
さらにノーマルの鉄ホイールではなく、アルミホイールも履いているという徹底ぶり。なかなかこんな中古キャンピングカーは出てこないと言っても過言ではありません。
トラックベースのキャンピングカーは、やはり足回りに不満や不安も多いため、私のキャンピングカージルも、フロントに強化トーションバー。リアに増しリーフ、4輪にランチョのショックアブソーバーという装備内容。
強化トーションバーについては導入してからは車両の挙動が抜群に安定しました。しかしその代わりと言ってはなんですが、乗り心地は固くなりました。その両方を両立させるのはなかなか難しく、エアサスという手も一時は考えましたが、予算の関係で装備できずに今日に至っています。
内装レイアウトは、センターエントランスを入ったところにダイネット、その後ろにトイレ・シャワールームを設置。最後部に二段ベッドを配するという、二段ベッドを装備しているキャブコンでは定番中の定番レイアウト。
190mmの余裕からか、二段ベッドの幅も他の5×2サイズのキャブコンより広くとってあり、後部二段ベッドは子供用と割り切って使うのではなく、大人も無理なく寝ることができる空間となっています。
家具とファブリックが落ち着いたイメージのため、車内に統一感があります。これくらいシックな感じであれば飽きることなく長きに渡って使うことができるでしょう。内装が奇抜な配色の車両はキャンピングカーショーなどで目を引く存在ではありますが、飽きがくるといった点では、やはり落ち着いた配色の内装家具を持つキャンピングカーには敵わないと思います。
このジル520の主な装備品は次の通り。
バックアイカメラ(カラー)、サイドオーニング(3.5m)、ベンチレーター(MAXXFAN)、アクリル2重窓、FFヒーター(ベバスト)、走行充電システム、サブバッテリー(トリプル)、外部AC入力、外部充電器、インバーター(1,500W)、冷蔵庫(DC 90L)、コンロ(2バーナー)、給水タンク(67L)、排水タンク(70L)、温水ボイラー(ラジエター/LP)、シャワー設備(温水可)、トイレ(カセット)、LPボンベ(2kg)、セパレートエアコン、ソーラーパネル182W、カセットガス供給器、DVDプレーヤー、車載用地デジチューナー、エントランスステップ、という内容。
「ムムッ、サブバッテリーはトリプル(3個)なのね、これで1500Wのインバーターを介して家庭用のセパレートエアコンを作動させる気だな」ということがスグに分かります。
あとは、「まだバンテックはLPガスにこだわっているのね」と思いましたが、昔のように『5kgのガスボンベを2本搭載』といったことはなく、2kgの小型ボンベを1本搭載するだけのようです。
このLPガスボンベのガスを必要とする装備品は温水ボイラーだけのようですから、思い切って廃止すればいいのにと思いますが、LPガスの充填問題より利便性を取ったということでしょうか。
ただ、昔に比べてLPガスを使用する機器は大幅に減っているため、それほど頻繁に充填をしなくても済むということから、導入に踏み切ったのかもしれませんね。
2013年式と2015年現在で2年落ち。ただ、登録は2013年12月ということですから、2015年1月現在であれば、1年落ち少々という新古車並の年式。しかも走行距離も2,200kmとデモカー並の走行距離。
ここまでとなれば前のオーナーが手放した理由を聞きたいところですが、まさか足回りをあれだけ強化しても物足りなくて、バスコンを買ってしまったとか・・・、どういった事情で手放したのか、興味は尽きません。
乗車定員7名、就寝定員5名は数字通りにきちんと使える人数となっています。長距離を移動するのであれば、サイドソファーの乗車定員を除くことになりますが、それでも6名が快適に移動できるということになります。
この中古キャンピングカー『バンテック ジル520』の価格は720万円(税込)。新車のディーゼル2WDの価格が7,624,800(税込)となっていて、これにオプションの、フロント・リヤ強化スタビライザー、フロント・リヤ強化ショック(Vサスペンション)、ソーラーパネル182W、カセットガス供給器などが付いているため、その差額を考えれば80~100万円程お得になる計算。
なかなかここまでの中古キャンピングカーは出てこないと思うため、『バンテック ジル520』の中古を探している方にとっては注目の中古キャンピングカーではないでしょうか。