中古キャンピングカー『バンテック ジル520』 2009年式 4WD/AT 走行4.3万km を検証
またまたバンテックの人気キャンピングカーである、ZiL520というキャンピングカーが中古キャンピングカー市場に出ています。
常設二段ベッドを持つキャブコンの中でも特にバンテックのジル520は人気が高く、オートキャンパーというキャンピングカー雑誌の人気投票で1位を獲得したこともある程。
私も購入を検討したこともあったのですが、ディーゼルターボの4WDベース車両のジル520は総額で800万円近い金額ということで、とても手が出せるような金額のキャンピングカーではありませんでした。
スリムなバンクベッド形状と、センターエントランスのボディーシルエットがベース車両とマッチしており、数あるキャブコンの中でもかなりスタイリッシュなキャンピングカーだと思います。
唯一エントランスドアのチープさが気になるところではありますが、バンテック車全てにこのエントランスドアが装備されていることから、ここは辛抱するしかありませんね。
リアビューも独特の形状で、キャンピングカーの知識が多少なりともある方が見ればジルだとすぐに分かる形になっています。
トイレ・シャワールームに外部からアクセスできる扉も装備。カセットトイレが少し邪魔ですが、外から荷物を入れることもできそうです。
ディーゼルターボエンジン(3,000cc)を積んだカムロードの最大出力は136馬力、4WD/ATのため、スキーキャンプ等にも活躍しそう。
エアバッグがハンドル内に内蔵されているため、ハンドルが大きく見えますね。走行距離は43,000kmとディーゼルエンジンのトラックとしては慣らし運転程度の走行距離。2009年式と2015年時点で6年落ちの中古キャンピングカーとなります。
ダイネット部分は対面式の固定シートとサイドソファーの組み合わせ。これで乗車定員7名を確保。後ろ向きの乗車は大変そうなので、サードシートに2名が座り、運転席・助手席に各1名の合計4名であれば快適に移動できると思います。
シートの色も昔のキャンピングカーと違いシックで落ち着いたデザインのものを採用しているため、私の2001年式のジルも落ち着いたデザインにシートをリフォームしたいところです。
テーブルも大きめのサイズのものが装備されていて、この位の大きさがあれば家族4人でテーブルを囲んでキャンピングカー内で食事などをするにも実用的。
フロアベッドを展開するとこのような感じで、この状態でフロアベッドに2名、バックベッドに3名、リアの常設二段ベッドに2名の合計7名が就寝可能。
センターエントランスのキャンピングカーなので、エントランスを入った正面がダイネットになります。ダイネットが丸見えになるのを嫌う方もいるようですが、エントランスドアを開け放って食事などをする機会はそうそうないと思われるため、あまり気にすることはないと私は思うのですが・・・。
吊り戸棚の色やデザインもヨーロッパのキャンピングカーの内装を強く意識したような感じで、取っ手などのパーツ類もシンプルでオシャレなイメージの物を採用。
FFヒーターは定番のベバストを採用。冬場の車中泊にコレがあると無いのとでは車内の快適度が大違いのため、できれば最初から装備されているキャンピングカーが理想。
最近のキャブコン・バスコンキャンピングカーの定番になっている家庭用エアコンもきちんと装備。バンコンにも装備される程急速に普及が進んでいるキャンピングカー内の家庭用エアコン。トリプルサブバッテリーとインバーターの組み合わせにより、発電機を使わず静かに車内を冷やせるのが特徴。
ただ、暖房は電力の消費があまりにも大きいため、サブバッテリーでの運用は現実的ではなく、その場合はベバストのFFヒーターを活用することになります。その方が足元から温風が出るため、天上付近から暖かい空気が降りてくるよりも効率的。
このジル520で羨ましいなぁ~と思っている装備品がコレ。セカンド・サードシート横にあるドリンクホルダー等が付いている棚です。たいしたことないような装備ですが、走行中に飲み物はもとより、スマホを置いたり、メガネ等の小物を置くのに凄く便利だと私は思っています。
こんなちょっとした気遣いができるのも、やはりキャンピングカーの老舗ビルダーである所以かもしれませんね。
バンテック ジル520 4WD/ATの主な装備品は次の通り。
●サイドオーニング
●シャワー
●温水ボイラー
●フロントエアコン
●ギャレー
●インバーター
●走行充電システム
●GPS(ナビゲーション)
●ルーフレール/ラダー
●バックアイカメラ
●冷蔵庫(12V)
●トイレ(カセット)
●FFヒーター(軽油)
●家庭用エアコン
●ソーラーチャージャー
●トリプルサブバッテリー
●キーレス連動エントランスドア
ギャレー部分には、シンク・冷蔵庫・ガスコンロがコンパクトにまとめられています。
大型の収納もあり、深い鍋やお皿、各種調理器具などを入れるのに重宝しそう。
シンクは温水も使用可能。コンロと分離されているタイプなので、コンロを使わない時は蓋を閉めておけば天板を広く使えそう。調理スペースの限られるキャンピングカーの中では貴重なスペースとなります。
これは常設の後部二段ベッド。やはりファミリーで使うのであれば二段ベッドは欲しいところ。二段ベッドがあればダイネットをベッド展開しなくてもバンクベッドと合わせて5名が就寝可能なので、ものぐさなお父さんにはピッタリ。
というか、私の経験上、キャンプ場などでお酒を飲んだ後にキャンピングカーのダイネットベッドを展開するのが面倒で、閉口した経験が結構あるから・・・。
二段ベッドの下は大型の収納庫。これだけの収納があればキャンピングカー内に荷物が溢れるということはないでしょう。これでも収納が足りないという方は、荷物の持って行き過ぎだと思いますので、厳選した方がいいと思いますが・・・。
私がキャンピングカーを使っていて一番便利だと思っているのがこのカセットトイレ。後処理が面倒だという意見もありますが、その面倒さを差し引いても十分なおつりがくる程便利な装備品だと思います。
キャンピングカーのトイレについては色々な方が書いている通り、
●雨の日でもキャンピングカーの中で用が足せる
●吹雪のスキー場でも大丈夫
●渋滞中でもへっちゃら
●酔ったお父さんも夜中にキャンピングカーの外に出なくて済む
●外にはオバケがいるかも知れないので、外に出るのが怖い方にもピッタリ←コレは私
●トイレの無い場所で長期滞在が可能
●掃除の行き届いていない公園や道の駅のトイレを使用しなくても済む
●お腹の弱い人は必須
●トイレにこもるのが好きな人にも是非
●車内で夫婦喧嘩になった時のお父さんの避難所として
●災害時にも使える
等々、ちょっとおふざけも入っていますが、キャンピングカーのトイレは本当に便利。「後処理が・・・」と思って使用をためらっている方がいれば、「是非一度使ってみて下さい、その便利さに感動するはずです」と言うしかありません。
そんな便利なフル装備のバンテック ジル520 4WD/ATの価格は528万円(税別)で、新車価格は800万円を優に超えていたと思われるため、6年落ちで300万円のディスカウントということになります。
800万円と言われると手が出ませんが、500万円台だとなんとか頑張れば買えるような気がしないでもない、中古キャンピングカーの紹介でした。