中古キャンピングカー『グローバル ワイド』 1999年式 2WD/AT 走行10.3万km を検証
私にとってはもの凄く懐かしく、同時に憧れであったキャブコンタイプのキャンピングカーが中古キャンピングカー市場に出ています。
『グローバル ワイド』というキャンピングカーで、この姿を見て懐かしいと思う方もいるのではないでしょうか?ワイドという名称の通り、車両サイズは全長6,090mm×全幅2,160mm×全高3,260mmというサイズで、全幅が国産キャブコンの中ではほんの少し大きいサイズ。
ただ、ヨーロッパやアメリカ製のキャンピングカーの中には全幅が2,300mmを超えるものも多くあるため、それ程大きな部類には入らないと思います。
ベース車両は、トヨタ トヨエース ワイドキャブを採用。このワイドキャブを採用しているところから、車名がワイドになったのではないかと思われます。
リアダブルタイヤ仕様のベース車両のため、リアタイヤのバースト時などには安心感があります。現在キャンピングカーのベース車両として絶大な人気のあるカムロードも、そろそろリアダブルタイヤに進化してもいいと思うのですが・・・。
1999年式と2016年時点で17年落ちの中古キャンピングカーになりますが、トヨエースがフルモデルチェンジした後のベース車両を採用しているため、内装は現行型のカムロードと変わりありません。
ワイドキャブらしく、運転席・助手席の間には広い空間があり、サイドブレーキもカムロードと違い、ステッキ型ではなく運転席横にレバーのあるタイプになっています。
バンクベッドは天井高さこそあまりありませんが、車幅一杯を使った大きさで、大人2~3名が余裕で就寝可能。
ダイネット部分は固定式の対面シートを採用。アクリル窓のように曇る心配の無いガラス二重窓を採用し、レースのカーテン+遮光カーテンの組み合わせ。しかもカーテンレールを隠す装飾もされており、この写真だけではキャンピングカーの中ということを忘れてしまいそう。
このような窓際の演出を見ていると、現在主流になっているアクリル二重窓+ロールブラインドの組み合わせが何だか味気なく感じてしまうのは確か。なかなか手間とコストが掛かる装備品ではありますが、参考になる造りです。
もちろん天井付近にある収納庫もきちんと装備されています。無垢材の質感も良く、丁寧に造り込まれた家具に好感が持てます。やはり合板を使った家具よりぬくもりがあり、質感もこちらの方が上だというのは紛れもない事実。
ダイネットスペースにはサイドソファも装備。
ダイネットスペースの全景はこのような感じ。運転席・助手席に行くための開口部も大きく開いており、行き来がしやすそう。
サードシートの後ろには小さな収納スペースがあり、その後部にはベッドスペースの姿も見えます。この内容で、乗車定員7名、就寝定員5名を確保。さすがに全長6mを超えるキャブコンタイプのキャンピングカーだけあり、車内の空間に余裕があります。
後部ベッドスペースの上部には二段ベッドのような装備もあり、寝るのはもちろん、寝具などを載せておくのにも重宝しそう。さらにその上にも収納庫が装備され、小物の収納に困ることはなさそうです。
シンクは現在では非常に珍しいダブルシンクを採用。本気でキャンピングカー内において生活ができるような装備品が選択されています。
手前には大型の3口タイプのコンロを装備。この辺りはアメリカンテイスト溢れる装備内容。持て余してしまいそうな装備品ですが、当時はこれが憧れの装備品でした。
『グローバル ワイド』の主な装備品は次の通り。
アルミホイール、ABS、ETC、カーステレオ、バックアイカメラ、サイドオーニング(オムニスター4m)、ベンチレーター(3ヵ所)、ガラス2重窓、ルーフボックス、リヤクーラー、リヤヒーター、FFヒーター(LP)、走行充電システム、サブバッテリー、外部AC入力、外部充電器、冷蔵庫(3WAY/90L)、コンロ(LP/3口)、給水タンク(150L)、排水タンク、温水ボイラー、シャワー設備、外部シャワー(温水可)、トイレ(カセット)、LPボンベ(8kg×1)、オートエアコン、エアサス、エントランスステップ、ベンチレーターカバー3ヵ所、照明付レンジフード、ポーチライト
冷蔵庫は懐かしの3WAYタイプを採用。当時は1WAYタイプの冷蔵庫は少なく、性能もイマイチでしたから3WAYタイプをチョイスするのは止む無しといったところ。
LPボンベも同様で、キャンピングカーのLPガス充填拒否問題など、当時は考えられなかったこと。これも時代の流れだと言わざるを得ません。
ギャレー前の通路はこんな感じで、アメ車など2,400mmを超える車幅の車両に比べれば若干狭い感じですが、日常的に行き来する場所でもないため、これで十分でしょう。
最後部にあるフリールームには、カセットトイレとシャワー設備を装備。給水タンクの容量が150Lもあることから、シャワーも十分実用的。
レンジフードのデザインはやや古さを感じさせますが、これは最新型に交換してもいいかもしれません。
各種メーター類やスイッチもシンプルな造り。走行距離が103,500kmと伸びているにも関わらず、内装がとてもキレイ。前オーナーが丁寧に扱っていたということがよく分かる中古キャンピングカーです。
4,890ccのディーゼルエンジンのAT仕様。最高出力は140馬力あり、それなりに走るキャンピングカーだと思います。
ダイネット部分もベッド展開できるため、バンクベッドに2名、ダイネットベッドに1名、後部ベッドに1名の合計4名で使えば本当に広々とした空間で就寝可能。5×2サイズのキャブコンに1mプラスすればこんなに贅沢な空間になるという良い見本のようなキャンピングカー。
価格は220万円(税込)と格安で、220万円で購入し、100万円掛けて内装をリフォームすれば、かなり良いキャンピングカーになるのではないかと思います。エアサスも装備されていて非常にお得ですよ~。
置く場所さえ許せば、私も所有してみたいと思わせるキャンピングカーの一台です。