中古キャンピングカー『バーストナーA550-2』 2005年式 2WD/AT 走行4.7万km を検証
『バーストナーA550-2』というフィアット デュカトをベース車両とした、ヨーロッパのキャンピングカーが出ています。
バーストナージャパンという、ヨーロッパ最大級のドイツBurstner社のモーターホーム・キャンピングカーを輸入販売する、日本の会社が販売しているキャンピングカー。
母体は、ハインツアンドカンパニー株式会社という昭和54年に創業された会社で、キャンピングカー事業の他にも様々な事業を展開している企業のようです。
◆キャンピングカー販売・買取事業
・ロードトレック 日本正規ディーラー
・バーストナー 日本正規ディーラー
・タバート 日本正規ディーラー
◆通販/オーディオ機器販売・修理事業
・総合ショッピングカート
・オーディオショップ H&K
◆再生・買取事業
・貴金属・非鉄金属の買取/精錬事業
・買取事業 – 貴金属等の買取・無料査定
キャンピングカー以外にもいろいろな事業を手広く展開しているのが分かります。
そんなちょっと『面白い』会社が輸入・販売している『バーストナーA550-2』ですが、日本のトラックを使ったキャブコンと違い、スタイルの良さは歴然としています。日本にも同様のベース車両があればこのような感じのスタイリッシュなキャンピングカーが造れるはずなのにと、ヨーロッパのキャンピングカーを見るたびに何とももどかしい気持になる私。
ヨーロッパ製のキャンピングカーを購入するなら、ハイマーかバーストナーがいいと思っている私。中古キャンピングカーでバーストナー車が出ていると、いつも気になってしまいます。
ベース車両はフィアット デュカトで、排気量2,800ccのディーゼルターボエンジンで、最高出力は127馬力。最大トルクは30.6kg-mとなっています。左ハンドルですが、ATとの組み合わせで運転がしやすそうな運転席周りとなっています。
運転席周りも日本の『お仕事用』トラックと違い、乗用車ライクなデザイン。仕事で使うトラックにラグジュアリー感を求めてはいけないとは思うのですが、キャンピングカーショーなどで国産トラックベースの運転席に座った時などは、もう少し何とかならないものかといつも思ってしまいます。
フロントエントランスですが、このエントランスドアが助手席側に付いているのが大きなポイントで、左ハンドル仕様の輸入キャンピングカーの場合、かなりの確率でエントランスドアは車道側である右側に付いているもの。その点この『バーストナーA550-2』のエントランスドアは歩道側に付いているため、小さなお子さんのいるご家庭でも安心。
車内のレイアウトは、フロント寄りのエントランスドアを入った正面にダイネットスペース。後部にトイレ・シャワールームを配し、その脇に二段ベッドを車両に対して『縦』に配置しています。
国産トラックベースのキャブコンの多くが常設二段ベッドを車両に対して『横』に配置しているのですが、この中古キャンピングカー『バーストナーA550-2』は縦に配置しています。
これは車両サイズが、全長5,730mm×全幅2,290mm×全高3,220mmの車両だからできること。全高が3,220mmというのも、ダブルフロアという床が二重構造になっているためで、ダブルフロアにすることで、床下にも収納庫を設けることができ、収納スペースの多いキャンピングカーになっています。
明るい色の家具と、抑え目のトーンのファブリックと相まって、非常にモダンで落ち着いた雰囲気の車内で、2005年式と2015年現在で10年前のキャンピングカーとは思えないような先進的な内装。
これを見るたびに、「国産キャンピングカーのデザインはヨーロッパのキャンピングカーから10年遅れている」と私は感じています。
『バーストナーA550-2』の主な装備品は次の通り。
エアバッグ(デュアル)、ABS、ETC、TVアンテナ(地デジ)、TV(19インチ液晶)、カーステレオ(CD)、カーナビ(DVD)、バックアイカメラ(カラー)、サイドオーニング(3m)、ベンチレーター、アクリル2重窓、サイクルキャリア(2台積)、FFヒーター(LP/トルマ)、ルーフエアコン、走行充電システム、サブバッテリー(ダブル)、外部AC入力、外部充電器、発電機(トラベラー2500H)、冷蔵庫(3WAY/88L)、コンロ(3バーナー)、電子レンジ、給水タンク、排水タンク、温水ボイラー(LP/トルマ)、シャワー設備(温水可)、トイレ(カセット)、LPボンベ(8kg×2)、リヤスピーカー、電動エントランスステップ、ポーチライト
着目したい装備品は、やはり発電機とルーフエアコンの組み合わせ。2005年当時の主流はやはりこの組み合わせで、発電機がトラベラーというのもお約束。現在であれば国産のセパレートエアコンを日本に入ってきた時点で取り付けるという選択もアリかもしれませんが、当時のトレンドはコレ。
LPボンベ8kg×2というのも特徴的で、トルマのFFヒーター、温水ボイラー、3WAYの冷蔵庫と、LPガスをパワーソースとする装備品が多いため、仕方のないところか。キャンピングカーの旅先でのLPガス充填拒否問題を受け、国産キャンピングカーのLPガスボンベレス化が進んでいる昨今においては、やや時代を感じさせる装備品内容。
全幅が2,290mmあるキャブコンのため、バンクベッドの広々感はなかなかのもので、乗車定員6名、就寝定員6名は実用的な数字と感じます。
この『バーストナーA550-2』の特筆すべき点は、トイレルームとシャワールームがそれぞれ独立しているというところ。これは国産5×2サイズのキャブコンでは実現不可能で、このゆったり感は嬉しいもの。
トイレとシャワールームが別々になっているということは、トイレ兼シャワールームでシャワーを浴びた時のように、トイレの蓋がびしょ濡れにならないということで、これなら使用した後の拭き取りも楽で、お手入れもしやすいと思います。
2005年式と2015年現在で10年落ち。走行距離は47,100と10年落ちの中古キャンピングカーとしては少ない走行距離。何より車内の状態が非常にキレイで大切に使われていたキャンピングカーだということが分かります。
中古キャンピングカー『バーストナーA550-2』の価格は436万円(税込)。
新車価格は600万円以上していたことを考えても、それ程価格が下がっているような感じは受けませんが、現在バーストナー社ではこのスタイルのキャブコンは製造しておらず、現行型のバンクベッド付きのキャブコンであれば、全長が6mを超えるタイプしかありません。
そう言った意味では絶版車でもあり、希少価値のある輸入キャンピングカーだと言えるでしょう。