中古キャンピングカー『アムクラフト コンパス』 2010年式 2WD/AT 走行3.5万km を検証
アムクラフトのコンパスという200系ハイエースベースのバンコンキャンピングカーが中古キャンピングカー市場に出ています。
一見普通のロールーフのバンコンのようですが・・・。
屋根部分が持ち上がるポップアップルーフを装備。かなりうまく収納されているため、収納されているとその存在に気が付かない程。
車両サイズは全長4,840mm×全幅1,920mm×全高2,070mmという、200系ハイエースの標準ワイドボディーを採用しているため、コンパクトな印象を受けます。
運転席側にはエクステンションボックスを装備し、この張り出し部分が無ければバンコンタイプのキャンピングカーだと分からないような姿です。
運転席・助手席は200系ハイエースそのもの。2019年には300系ハイエースが発売されるということですが、どのような内装デザインになるのか、今から楽しみ。
セカンド・サードシートはファスプの2人掛けシートを採用。全席前向き展開可能なシートで、走行中は全員が前を向いて座れる仕様。やはり車の中で走行中に後ろ向きに座るのは酔ってしまう可能性があるため、全席前向きに出来る仕様の方が有り難いもの。
セカンドシートの前にテーブルをセットすることも可能。走行中は危険ですが、ちょっとした休憩時には重宝しそう。
運転席側の窓はエクステンションボックスによって拡大されているので、ギャレー部分にプラスして窓際のスペースも確保。
上開き式の冷蔵庫も装備。キャンピングカーの冷蔵庫は冷えるまでに時間が掛かるため、扉を開けた時に冷気が逃げにくい上開き式の冷蔵庫が適していると私は思っています。
なかなか設置する場所によってはレイアウト上難しい場合も多いと思いますが、このような形でギャレー部分があれば設置可能なため、積極的に採用して欲しいもの。
普通の冷蔵庫と容量もそれ程遜色は無く(コレは40Lタイプを採用)、総合的に見ても上開きの冷蔵庫は優秀だと思うのですが・・・。
冷蔵庫の隣はミニミニシンクを装備。ハンドル部分もシンク内に装着され、実用的には少し疑問な感じですが、構造要件を満たすために装備されているようなものですから、これはこれでいいのかも。
テーブルの本来の使い方はコレでしょう。細長いテーブルですが、これで4名がゆったりと使える空間があるというのは、普通車では望めないところ。
収納された状態のポップアップルーフの天井部分。
ポップアップルーフを展開するとこのような感じで、この状態であればハイエースの中で立って生活できます。
このキャンピングカー内で立つことができるというのは案外重要で、比較的長時間車内で過ごすことの多いキャンピングカーで、常に中腰状態で車内を移動するというのは結構なストレスになるもの。
キャブコンに乗っていて常に思うことは、「やはりキャンピングカーは車内で立てる方が圧倒的に楽だ」ということ。
展開されたポップアップルーフ内はこのような感じで、大人2名であれば楽に就寝可能。子供が喜びそうなスペースでもあります。
アムクラフト コンパスの主な装備品は次の通り。
アルミホイール、エアバッグ、ABS、ETC、TV(地デジ)、カーステレオ(CD/チューナー/HDD/SDオーディオ)、カーナビ、バックアイカメラ、リヤクーラー、リヤヒーター、FFヒーター(エバス)、走行充電システム、サブバッテリー(ダブル)、外部AC入力、外部充電器、インバーター(2,000W)、冷蔵庫(DC/40L)、コンロ、給水タンク(10L)、排水タンク(10L)、網戸2枚、リヤスピーカー、ルーフベッド、ソーラーパネル
という内容で、ソーラーパネルを装備しているバンコンのよう。
ギャレーの脇には各種スイッチとコンセントを配置。2,000Wのインバーターとサブバッテリーをダブルで装備しているため、車内でドライヤーなどを使おうと思えば使える電源内容。
給・排水タンク(10L)の収納状態。構造要件を満たすためだけの装備のため、10Lといかにも少ない容量ではありますが、手を洗う位はできそうな感じ。
サードシートより後方は意外に広い収納スペースになっていて、これだけの容量があればキャンプ道具も楽に収納可能。
両側にある小物入れスペースも有効活用すれば、かなりの荷物が入りそう。
窓も大きく、開放感のある車内です。
ファスプのシートはベッドに展開も可能。
最後部の小物入れ部分の上にマットを敷き、その間に板を渡せば就寝スペースが展開。これで乗車定員6名、就寝定員4名+2名という内容。
もちろんベッド展開時もベッド下は収納スペースとして活用可能。
2010年式と2016年時点で6年落ち。走行距離は35,400kmとそれ程走行していない、2,700ccのガソリンエンジンで駆動方式は2WD/AT。
2,700ccエンジンの最高出力は151馬力あり、普通に走行するには何の問題もないパワーがあります。
価格は398万円(税込)と、ソーラーパネルや大型インバーター、FFヒーターなどの高価な装備品を装備した高年式車にしては安価な設定。
ポップアップルーフのバンコンを手軽に試してみたいのであれば、このような程度の良い中古キャンピングカーを選ぶのもアリかもしれません。